「私は平凡な主婦」そう思っていたのに……
A子さんは同い年の夫と中学3年生の息子と暮らす平凡な43歳の主婦です。いつも家族のために美味しい食事を作るのが生きがいで、楽しく穏やかな日々を過ごしていました。
中学生の息子は反抗的な言葉や態度をとることもありますが、優しいところもありA子さんにとっては頼もしい存在となっていました。
ある日曜日、夫は出かけ家にはA子さんと息子に2人だった時のこと。息子が「母さん、話があるんだ」と神妙な面持ちで近づいてきました。
息子からの告発「父さん、浮気してるよ」
「父さん、浮気してるよ。今日も不倫相手とデート」
息子はそう言いながら、スマホの画面を見せてきたのです。そこには夫と不倫相手のやり取りのスクショがありました。
あまりに突然のことでびっくりしていると、息子はさらに続けます。
「離婚しなよ。証拠なら俺がばっちり持ってる」
父親の不倫なんて息子にとってもショックなはずなのに、しっかりとした態度の息子にA子さんは勇気づけられます。
「ありがとう」
ここからA子さんの離婚に向けた戦いは始まりました。
「あなた話があるの」夫との話し合い
その日、夜遅く帰ってきた夫を待って話し合いを始めたA子さん。
不倫をしていること、今日もデートだったこと。それらを知っており証拠を持っていると告げると夫は動揺していました。
さらに、その証拠を見つけて知らせてくれたのは息子であること。その息子が離婚を望んでいることを告げると夫は黙ってうつむいてしまいました。
「息子にこんな探偵みたいなことをさせてしまったこと本当に申し訳ないと思ってる。だから、これ以上息子の傷を広げないためにも離婚してください」
夫はA子さんからの条件を飲むしかないようで、すんなりと離婚を了承してくれました。
「ごめんね。ありがとう」息子は私が守る
それからは、息子との新生活に向けての準備で大忙し。息子ももちろん手伝ってくれて、生活の基盤は整い2人の新生活は無事スタートしました。
新生活が落ち着いてきた頃、A子さんは息子に「ごめんね。ありがとう」とここに至るまでの気持ちを伝えます。離婚を助けてくれた息子のことを、これからは自分が絶対に守るとA子さんは誓うのでした。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶