今回は私の友人Aさんが危機的状況で姑に言われた最低の言葉をご紹介します。
家族で公園のボートへ
Aさんはある日、旦那さんとまだ小さい子どもとお姑さんとで小さな湖のある公園に出かけました。もともとお姑さんとの仲は悪くなく、休みの日はこのように4人で遊びに出かけることもよくあること。
お姑さんも孫を可愛がってくれていましたし、傍から見ればとっても仲の良い家族。だったはずでした。
「ボート乗ろうか」
「そうね、天気もいいし気持ちよさそう」
旦那さんの提案で、4人は湖畔のボート乗り場へ。
「私ちょっと怖いわ、泳げないし」
4人で乗れるボートが手漕ぎのものしかなかったため、姑は若干不安そうに乗り込みました。
急にパニックを起こした姑
旦那さんとAさんがボートを漕いで湖の中央まで来たところで、姑の顔が真っ青になりました。
「ちょっと具合が悪くなってきたわ…… 早く岸に戻りましょう!」
そわそわと動き出す姑のせいで、ボートは安定を失って揺れ始めました。
「すぐ戻りますからお義母さん、じっとして……!」
「イヤ!私泳げないのよ! 」
よほどボートが不安だったのか、姑は居ても立っても居られない様子。あげくの果てに何を思ったか立ち上がろうとしたため、ボートは激しく揺れました。
「ああ……! 」
傾いたと思ったらあっという間にボートは転覆し、4人は湖に投げ出されました。大人の女性で足が底につくほどの深さだったので、Aさんと旦那さんは慌てて子どもを助けようと手を伸ばしました。
信じられない一言
「ちょっと! こんな女が産んだ子より私を先に助けてよ! 私泳げないんだから!! 」
湖に響き渡る、姑の金切り声。Aさんは思わず耳を疑いました。それもそのはず。このような状況では足がつかない子どもを優先するのが当たり前なのではないでしょうか。しかも自分のせいでボートが転覆したというのに。
「母さんは足がつくだろ…… 」
旦那さんは呆れた顔で子どもをAさんに託し、姑を湖の中で立たせました。
「あ……ほんとだわ」
旦那さんは転覆したボートをひっくり返し、そこに皆がつかまれるようにして救助を待ちました。間もなくスタッフのモーターボートが来て4人は救助されましたが、Aさんには姑の言葉が忘れられず、帰りの車内もずっと黙り込んでいました。
孫を可愛がってくれていると思っていたのに、「こんな女が産んだ子」なんて。帰ってから旦那さんと話し合ってみましたが、旦那さんも姑の発言に失望しきっていました。
「ちょっと距離を置こうか」
「そうね」
夫婦でそう話し合い、それからお姑さんに誘われてもお出かけはしていないとのことです。
ftnコラムニスト:緑子