「一緒に本部の書記に立候補しよ♡」と積極的なママ友
子どもが通う小学校には「PTA本部を1年やれば、子どもの人数は関係なく、その後のPTAや役員の仕事は全免除」という決まりがあります。いつまでもPTA選出のくじ引きにビクビクしたくなかった私は、本部の書記に立候補することに。
それを知ったママ友から「どうして書記に立候補するの?」と話しかけられ、私は理由を正直に話しました。「本部やれば今後PTA活動免除になるし、パソコン得意だから書記だったらできると思ったの」と。
すると「私も本部やろうかなぁ。ねえ、一緒に立候補しよ♡」と、ママ友が積極的に誘ってきました。本部書記の枠は2名です。一緒もなにも、立候補すると心に決めていたので、私は「そう?」とあいまいに頷くことしかできませんでした。
「実はパソコンわからなくって」と突然のカミングアウト
本部の仕事は大変。とくに書記はパソコン作業が多く、立候補したのは私とママ友だけで、すんなり決まりました。前任からの引継ぎも順調に終わり、ママ友と仕事の分担をすることに。ここで、ママ友は突然のカミングアウトをします。
「私、実はパソコン全然わからないの。だから、ききたさんのこと頼りにしてるんだ。よろしくね♡」
パソコン知らない人が書記をやるのはかなり大変なので、私は謙遜しているだけだと思っていました。
スキルクレクレ状態にうんざり
しかし、ママ友のカミングアウトは真実だったのです。パソコンにほとんど触ったことがなく、ワードやエクセルの知識は皆無。仕事を割り振ろうとすると「難しくてできない」と言い、印刷物の仕分けなど簡単な仕事しかしてくれません。仕事量の比率は5:1程度(もちろん5が私)です。
しかも、ママ友は私の指示を待つだけ。何も与えないわけにもいかず「これなら一人でやった方が楽かも」と、うんざりしてしまいました。
笑顔で突き放してスキルクレクレママを撃退!
結局、上半期の仕事はほとんど私がすることに。ママ友は「ありがとう♡」と私に仕事を押し付けつつ、役員会議では仕事大変アピールをします。さすがに「やってらんないわ……」とバカバカしくなりました。得意なスキルを持っているという理由で、仕事を押し付けてくる図々しさが嫌になったのです。こっちだって今までの苦労があってのスキル。スキルは無料じゃないんだよ。
そこで、私は仕事の半分をママ友にぶんなげることを決意。「上半期は私がやったから、下半期はよろしくね」と、有無を言わせず割り振ります。「パソコンわからないからできない」と泣きついてくるママ友。私は「大丈夫大丈夫。前任もパソコン知らないって言ってたけどやれたみたいだし、ネットで調べれば操作方法いくらでも出てくるから」と、笑顔で突き放しました。「確認は一緒にしようね」と優しく一声かけることも忘れません。
その後、ママ友はかなり苦労しながら資料を作成。「ほら、やればできるじゃん!」と褒めて次々と仕事を投げて撃退し、下半期を逃げ切ったのでした。
ftnコラムニスト:ききた