愛する旦那さんを奪われたら、相手が誰であっても許しがたいものです。たとえそれが、一緒に育ってきた姉妹であったとしても。
今回は実の妹に旦那さんを奪われた経験のある私の友人Yさんのお話です。
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旦那が突然の腹痛

Yさんは結婚して5年目。まだ子どもは授かっていないものの、旦那さんとはとても仲良しですし、休みの日には4つ年の離れた実の妹が時々遊びに来て、3人で一緒にどこかに出かけたりと幸せに暮らしていました。

ある休日、Yさんと旦那さんがソファでテレビを観たり、スマホをいじったりと自宅でのんびりくつろいでいると、お腹の弱い旦那さんが突然「ヤバい……」とお腹を押さえてトイレに駆け込みました。

「何かお昼に食べたものが悪かったのかな? 」
Yさんは心配になり、薬箱にお腹の薬がなかったか確かめようと立ち上がりました。するとその時、ローテーブルの隅に放り出されていた旦那さんのスマホが着信を知らせながら震え出しました。
「あ、落ちちゃう! 」
バイブ機能の振動でテーブルから落ちかけていたのを受け止めるYさん。すると間違えて指が通話ボタンに当たってしまい、電話に出てしまったのです。

あわてて画面を確認すると、スマホの画面には見知らぬ男性の名前が表示されています。会社関係の人だったら、とりあえず今は夫が電話に出られない状態であることを伝えなければと思ったYさんはそのままスマホを耳にあてました。

スマホから聞こえてきた声

『もしもし~、 〇〇(旦那)くん? 』
表示されていた名前は男性だったのに、聞こえてきたのはなんと女性の声でした。Yさんは何も言えず、固まってしまいました。しかし女性は電話に出たのが旦那さんだと思い込んで話し続けます。
『あのさあ、こないだ生理遅れてるって言ったじゃん? やっぱできてるみたい……どうしよう? お姉ちゃんになんて言えばいい? 』
お姉ちゃん。その言葉と声で、Yさんには電話の相手が誰なのかわかってしまったのです。それは間違いなく、Yさんの実の妹でした。

「…… 〇〇なら今ウンコ産んでるけど? あんたも産みたきゃ産めば」
思わずそう呟くと、電話は突然切れました。Yさんは震える手で旦那さんのスマホを握りしめ、旦那さんがトイレから出てくるのを待ちました。

「ふー、ヤバかったよ」
スッキリした顔でトイレから出てくる旦那さんに、Yさんはスマホを突きつけました。
「妊娠してたってよ」
「え?なにいきなり。誰が? 」
驚いた顔の旦那さんに、Yさんは淡々と伝えました。急に電話が鳴ったこと。男性の名前で登録されていたのに、出たのは女性だったこと。その女性が妊娠を告げたこと。そしてその女性は間違いなく、Yさんの妹であること。

「あの…… その…… 」
旦那さんは顔面蒼白になり、しどろもどろになってしまいました。
「全部話して。妹も呼ぶし」
Yさんはすぐさま妹に電話をし、自宅に来るように言いました。

裏切られた悲しみ

「お姉ちゃん、ごめんなさい…… 」
妹はYさんの前で涙をこぼしながら、2年ほど前から2人が不倫関係にあったことを白状しました。きっかけは、盲腸で入院していたYさんの見舞いに来た妹を、旦那さんが実家まで送り届けていた時、その車内で会話が盛り上がって2人で会う約束をしてしまったとのこと。

そして、やはり妹のお腹の中には旦那さんの子がいることも。

「2年も前から……しかも妊娠してるなんて……! 」
Yさんは信頼していた2人に裏切られたことと、しかも妹が妊娠しているという2重のショックでその後しばらく寝込んでしまい、回復も待たずに離婚届を書いて旦那さんに渡しました。

Yさんの妹はYさんの元旦那さんと結婚し、子どもも無事に生まれてきましたが、Yさんはもう一生2人には会わないと決めています。

ftnコラムニスト:緑子