大変だった…実母の介護
A子さんは実母の介護を10年に渡って頑張ってこなしていました。実家に通いながらの介護は大変でしたが、他の兄弟と協力をし何とか頑張ってきたのです。
先月、母が亡くなりA子さんの介護生活は終了しましたが、楽になったはずなのに心はぽっかりと穴が開いたようでまだまだ元気を取り戻せてはいませんでした。
介護は嫁の仕事?「私たちの時も安心ね」
ある日A子さんが義実家に向かうと、A子さんの母親の話になります。てっきりお悔やみを言われるのかと思っていたA子さんですが、耳に飛び込んできたのは信じられない言葉でした。
「介護経験があるA子さんがいてくれれば、私たちの時も安心よね」
実母の介護経験のあるA子さんだからこそ、義母のこの発言を許すことはできませんでした。介護のような大変なことは、よっぽどの愛情があっても困難がともなうもの。A子さんは義母に対して、それほどの愛情も感謝の念も抱いてはいなかったのです。
介護をしろと言うならお金をくださいね
A子さんはこのまま黙っていたら、義父母の介護は嫁の仕事ということになってしまうと思い、反撃に出ることに。
「介護をしろって言うなら、それ相応のお金をくださいね」
義母に口を挟ませる隙を与えないように一気にまくしたてます。介護はとても大変なこと。実母への恩があったからできたこと。介護は嫁の仕事だというなら仕事に対する対価が欲しいこと。
嫁に反抗されるとは思ってもいなかった義母は、口をあんぐりと開けて驚いていました。
実子がしたらいかがですか?ねえ夫くん
「うちの実家は介護を兄弟で協力してやったんです。私の経験を活かすっていうなら、そちらも実子にお願いしたらどうですか?ねえ夫くん」
いきなり話を振られた夫は慌てふためいていましたがA子さんは知らん顔。介護の話は夫とその兄弟で話し合うべきことで、私はあくまでサポート役しかやるつもりはないと帰宅してからもはっきり夫に告げたのです。
実際に義父母が要介護の状態になった時にどうなるのかはわかりませんが、それまでに義実家の面々で精一杯話し合ってほしいと望むA子さんなのでした。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶