最近の自動車には、衝突事故を防ぐための様々な機能が備わっていますよね。例えば障害物を感知したら警告音が鳴るシステムなど。
今回はそんな自動車の機能で、背筋がぞわっとするような体験をしたAさんのお話です。
ftnews.jp

買い替えたばかりの車

Aさんは小学生の子どもと旦那さんの4人で暮らしている、ごく普通の主婦。休日は家族でドライブに行くのを毎週の楽しみにしていました。

最近買い替えたばかりの車は最新の衝突防止システムを搭載していて、車のすぐ近くに障害物を感知すればセンサーが作動して警告音が鳴ったり、他の車とぶつかりそうになったらブレーキがかかったりと、安全対策はバッチリ。

その日も4人でドライブに出かけた帰り道でした。いつも夕方は車通りが多くて混雑している交差点に差し掛かった時、急に障害物感知センサーが作動し、ピピピピ、と警告音が鳴りました。
「あれ?誰か通った?」
急に道を渡ろうとする歩行者でもいたのかと、スマホを見ていたAさんは顔を上げました。
「いや、誰も通ってないよ。なんかいつもここ通ると鳴るんだよなー」
旦那さんは不思議そうに首を傾げます。
「誤作動かな、まあ何もないならいいけど」
その日は誤作動ということで納得し、家路につきました。

再び警告音が

その交差点は家族で出かける時によく通る道なので、次の休日もAさん一家はドライブに出かける途中に通ることになりました。
「あ、今日は鳴らないね」
「ほんとだね、やっぱり誤作動だったんだな」
旦那さんとそう言って、顔を見合わせて笑いました。

しかしその日の帰り道。やはり夕方にその交差点を通ると、また誰も通っていないのに警告音がピピピピ、と車内に鳴り響きました。
「え、なにこれ…ほんとに誰もいない?」
Aさんが車の窓から外をキョロキョロ見渡すと、道の端に小さな花束が供えられているのが見えました。
「あれ、何だろ…」
「誰かここで亡くなったのかもしれないな…」
旦那さんとAさんはそのまま黙り込み、車内は子どもたちの騒ぐ声だけが響きました。

事故の多い交差点

後で旦那さんが調べてみたところ、あの交差点では事故が多発しているということがわかりました。特に横断しようとする歩行者と車の接触事故が多く、中には死者が出るほどの大事故があったことも。

その死亡事故はちょうど夕方、車通りが多くなる時間に起きたそうです。

「もしかしたら、亡くなった人の霊が通ったのを、車が感知したのかも…」
Aさんと旦那さんは背筋が寒くなるような気がして、夕方にはその交差点を通らないように迂回するようになったそうです。

最新の科学技術が、もしかしたら科学では説明できないものを感知していたのかもしれないと思うと、とても不思議なお話ですね。

ftnコラムニスト:緑子