友人の紹介で知り合った男性
ある日、社会人キャンプサークルに入っている友人にキャンプに誘われました。大学時代は、ソロキャンメインで楽しんでいた友人でしたが、「大勢だと出会いもあるし、作業分担もできて楽しいよ」と誘ってくれました。私は、出会いを期待して参加することにしました。
キャンプで出会ったなんて、健康的なイメージですよね。私はちょっとした合コンに参加するノリでいました。
そのときは私を含めて、初心者が多く集まる回だったので、本格的なキャンプではなく、おしゃれなグランピングになりました。知らない人ばかりでしたが、食材も現地調達だったので荷物の負担もなく、キャンプメインというよりも合コンのような会でした。
そこで知り合ったのがHさん。ガタイがよく、話上手な盛り上げ役タイプの男性です。
私は物知りなHさんの話に、すっかりトリコに。料理のことからスポーツ、BBQの網についた焦げを簡単に落とす裏ワザまで知っていて、本当に頼りになるんです。
デートってキャンセル料が発生するイベントだったの!?
そんなHさんと連絡先を交換し、ふたりで会う関係になりました。激務のため週末はできれば家でゆっくり過ごしたいというHさんに合わせ、仕事帰りの平日に食事をし、ホテルで休憩するのがデートコースの定番。平日の夜しか会えないのは、少し物足りなさを感じていました。
それに食事代はいつもワリカン。初めてのデートからワリカンでしたが、以前雑誌に「お相手の金銭感覚を知るためにワリカンの男性はいる」と書いてあるのを読んだことがあり、本気度が高いということかな、と都合よく捉えていました。
そんな彼の金銭感覚に、赤信号を発した出来事がありました。
その日の予定は、映画のあと食事デートだったのですが、風邪を引いてしまい会社を早退することに。Hさんにも、「ちょっと今日はムリかも」と連絡を入れました。
すると、
「映画は席とっちゃってるし、レストランもカードで予約してる。キャンセル料発生するから払って。」と言われたのです。
映画はもともと、後で自分のチケット代を払うことになっていました。でも、病気のような不意の事態というのは予測不可能。理由のあるドタキャンは、仕方ない場合もあると思うんですよね。映画のチケットは上映前だとキャンセルできないのかなと思いつつ、なんだか釈然としないまま、言われたとおりの額を払いました。
差額って……
Hさんの金銭感覚をはっきりと知って、この人とはもうやっていけない、と最終的に思ったのは、去年のクリスマスの出来事がきっかけでです。クリスマスなのにお泊りは無理と言われていたので、プレゼント交換と食事だけはすることになっていました。
Hさんへのプレゼントは、悩んだ挙句にちょっといいブランドの手袋を選びました。Hさんには「なにが欲しいの」と聞かれたので、遠慮せずに私の気に入っているブランドのピアスをおねだり。いつも身につけられるものがいいなと思ったのです。
ところが、レストランで食事をし、お互いのプレゼント交換をして別れた後、Hさんから衝撃のLINEが!
「ネットで調べたら、僕のあげたプレゼントの方が高いみたいだね。差額(1万5千円ほど)貰っていい?」
お小遣い制の男は堂々と不倫するな!
これまでも妙にお金に細かすぎるところや、おばあちゃんの知恵袋みたいに、やたら家事の小ネタに詳しいところなど、何度も違和感を感じていました。
でも、恋は盲目と言うか、「金銭感覚のしっかりしてる人」「家事のできる人」と脳内で置き換えてしまっていたのです。
あとで分かったのですが、違和感は当たっていて、Hさんはやはり既婚者でした。
愛人囲って不倫しようなんて、お小遣い制のサラリーマンには100年早いんだよ! いっちょ前に不倫なんてするな! と怒り心頭の出来事でした。
【ltnライター】叶かなえ