怖いお兄さんが突然やってきた
1人暮らしをしている大学生のAさんは、とてつもなく怯えていました。それもそのはず、インターフォンが鳴り、玄関を開けると、そこには明らかに普通ではない、怖いお兄さんたちが立っていたからです。
「お前、隣のヤツがどこにいるか知らへんか? 」
怖いお兄さんの中のリーダー挌の男性が、関西弁でそんなことを言ってきました。
まさかの一言
Aさんは隣に住む住人とはまったく付き合いがありません。そのため「知りません」と伝えると、男は「チッ」と舌打ち。そしてまさかの一言を発します。
「お前、小遣いやるから、隣の部屋見張っとけ! 」
やるしかない闇バイト
怖い人と関わるのも、闇バイトをやるのも絶対に嫌だったAさん。しかしこの状況で断れるはずがありません。
そのため、隣の部屋の住人が帰ってきたら、指示された電話番号にすぐに連絡することを約束しました。そうするしかなかったのです。
そしてそれから数日後、隣の部屋から物音が聞こえ、電気がついているのをAさんは確認しました。
「ごめんなさい……」Aさんはそう思いながらも、怖いお兄さんたちに連絡を取ったのです。
響き渡る怒号
「オラァ! 」「逃げんなや! 」「はよ縛れ! 」
電話してから数十分後、隣の部屋からそんな怒号が聞こえてきました。Aさんは震えながら、自分の部屋で頭を抱え続けます。
「ドンドンドンッ」それから数分後、静かになったと思ったら、突然Aさんの家の玄関が激しく叩かれます。
電話している手前、出ないわけにも行かず、Aさんは玄関を開けます。するとそこにはあの怖いお兄さんが……。
「ようやった」
そう言って、お兄さんはAさんに3万円を渡してきました。そしてお兄さんは最後にひとつの言葉を残していきます。
「警察に通報したら……わかっとるよな? 」
絶対にわかります。そのため、Aさんはしっかり頷きました。そしてお兄さんは、薄気味悪い笑顔を浮かべ、帰っていきました。
隣の部屋の住人が何をやったのか、どうなったのかはAさんは知りません。しかしそのまま同じ部屋に住み続けるのは怖すぎるため、それからすぐに引っ越し、今は別の地で平和な生活を送っているそうです。
こんな状況になったら、嫌でも闇バイトをせざるを得ないですよね。いったい隣の住人はどうなってしまったのでしょうか……。
ftnコラムニスト:ふくろうクジラ