自分勝手な義母
結婚して5年目のAさんは、義母のことが大嫌いでした。というのも義母は自分勝手で、人の気持ちなどまったく考えない人だったからです。
そして1番ひどいのが、義母はAさんの家に定期的にやってきて、勝手に家の物を奪っていくことです。そうしてそれらを売却し、自分の小遣いにしています。
一応、「これいらないでしょ? 」と聞いてくるのですが、断れるはずはありません。そのため、Aさんはかなり迷惑をしていました。
何も言えない旦那
「また来たのか……」そうため息まじりに言ったのは旦那です。
その日も義母は家にやってきて、旦那が愛用していたドライヤーを持っていきました。
旦那も義母の行動には迷惑させられているのですが、あまり義母に意見を言うことができません。だからこそ、Aさんたちは我慢するしかなかったのです。
そのときです。Aさんはあることに気づきました。
「結婚指輪がなくなってる……」
義母に電話をかける
「まさか……」そう言いながら、Aさんと旦那は目を合わせます。犯人は義母だとしか考えられませんでした。
そして旦那がすぐに義母に電話。するとまさかの一言が返ってきました。
「あぁ、あれね。もちろん売ったわよ? 」
旦那がブチギレ!
「だって他に金目の物がなかったのよ。結婚してだいぶ経つんだし、もういらないでしょ? 」
義母は悪びれる様子もなく、そんなことを言ってきました。
あの指輪は旦那が少ない給料をこつこつ貯めて、Aさんのために買ってくれた指輪。「さすがに許せない! 」と思ったAさんですが、そう思ったのはAさんだけではありませんでした。
「ふざけんな! 」
なんと今まで義母に一度も反論したことのない旦那が、そんな怒鳴り声をあげたのです。
「ちょ、ちょっと何よ……」初めての怒声に驚いたのか、焦る義母。しかし旦那の怒りは収まりません。
「あれは大事な指輪だ! 今すぐ返してもらってこい! それができなきゃ、一生お前に仕送りしないからな! 」
そう言って、旦那は電話を叩き切りました。Aさんはびっくりしましたが、旦那の勇気に思わず拍手。「やればできるじゃん」と言うと、旦那は少し照れた様子だったそうです。
その後、仕送りを止めると言われた義母は、なんとかして結婚指輪を取り戻し、Aさんたちのもとに指輪は返ってきたとのこと。そして義母が家から勝手に物を持っていくこともなくなり、平和な日々を取り戻せたとのことでした。
結婚指輪を勝手に売るなんて、さすがに非常識ですよね。しかしそれが旦那の怒りを呼び起こしてくれたことを考えれば、結果的には良かったのかもしれません。
ftnコラムニスト:ふくろうクジラ