W不倫をしていたママ友
ママ友のS子が新婚だった頃、結婚前から付き合っている不倫相手Nとまだ連絡を取っていました。
その頃は、S子もNもお互いすでに結婚をしていたのですが、2人は昔から特別な想いのある関係だったとS子はいいます。2人は子どもの頃に家族ぐるみで付き合いのあった幼馴染み同士で、お互いに信頼関係があったそう。
お互い新婚だということもあり、「自分の家庭を第一に考えること」を条件として大人の付き合いをしていました。
妊娠と約束
そんなある日、S子は自分が妊娠していることがわかりました。
この頃のS子は、旦那とは月1回程しかHをする機会がなかったので、授かった子どもは「旦那との子ではない」と勝手な思い込みがあったといいます。
そして、S子は妊娠したことをNに報告したのだそう。
しかし、S子もNもお互いに離婚するという選択肢はないけれど、授かった子どもは産んで育てたいと強く思ったのです。
2人は不倫をしていたことがお互いのパートナーにバレないよう、産まれてくる子どもに対しての取り決めをしました。
それが「養育費の支払い」だったそうです。
簡易な検査キットが教えた真実
2020年以前になると、簡易で安価なDNA検査が簡単にインターネットで手に入るようになりました。
S子いわく、それがキッカケになったといいます。
実は子どもの父である不倫相手Nは外国人の祖母をもつクウォーター。そのルーツがDNA検査によって、詳細にわかるキットがあると知って、S子は我が子の外国のルーツを調べてみたくなったのだとか。
さっそく購入して検査をしてみると、子どもにはNに入っているはずの国の遺伝子が全く入っていない結果が出たのだとか……。
いくらワンエース(8分の1)だからといって全く入っていないのはおかしい……!
ショックだったS子は、不倫相手に経緯を話して、今度は簡易な親子鑑定キットを購入して検査をしてみたのだそうです。
すると……結果は、Nとの子どもではないことがわかったのだとか! そして、子どもは旦那と100%親子関係にあることが証明されたのだそうです。
10年もの間、養育費をもらい続けていたS子。そして10年もの間、自分の子どもだと思って支援してきたN。
S子は誠実に支援してくれていた不倫相手に、心から謝罪をしたそうですが、とても心苦しくて悩んだといいます。
不倫相手Nの神対応
S子は10年間で合計すると、300万円ほどの養育費を受け取っていました。
S子は「少しずつでも貰ったお金は返していく」と言ったのですが、Nは「いらない」とキッパリ断ってきました。
NはS子の誠実な対応や、これまで自分の子どもとして影ながら成長を見届けてきたことで、子どもに対しての愛情が芽生えていたのだとか。
「今さら違ったところで、返金なんてとんでもないよ!」「親としての感情を経験させてくれてありがとう」とNはこたえました。
この話を聞いて筆者は、こんなにも優しい人間がいるのかと驚いてしまいました。
そして、ママ友S子が長年関係を切るに切れなかった理由がわかったような気がしたのです。ただ、そこまでお互いに想いあっているのに、なぜ離婚をしないのか不思議です。S子とNのパートナーのことを思うと、気の毒に思います。
現在は、養育費の支援はなくなったものの、S子はこれまで通りに子どもの成長の報告を、Nに続けているということです。
ftnコラムニスト:さらら