自転車泥棒はただ自転車に乗っているだけでなぜ警察官に見破られるのかというと、明らかに体格と違うサイズの自転車に乗っていたり、自転車の色と雰囲気が合わなかったりと、どこか不自然に見えるからだそうです。
今回は彼氏が自転車泥棒で捕まってしまったYさんのお話です。

いつも自転車で遊びに来る彼氏

Yさんには当時、隣町に住んでいる彼氏がいました。彼氏は独り暮らしのYさんの部屋まで来るときいつも赤いママチャリに乗っていて、「家族の自転車を借りてきたのかな」と思っていたそうです。

その日も「今から行くね」と彼氏から連絡があり、食事を用意して待っていたYさん。しかし待てど暮らせど彼氏はやってきません。

「おかしいな…15分もあれば着くのに。事故にでも巻き込まれたのかな…」
Yさんは不安になり、何回も彼の携帯に電話をしますが、一向に繋がりません。

そして結局彼氏を待ち続けたまま、Yさんは不安な一夜を過ごしました。

父からの電話

翌日の昼頃、Yさんの携帯に1本の電話がかかってきました。表示された名前は、Yさんのお父さん。母親ならともかく父親が電話をかけてくるなんて珍しい、どうしたんだろうと思いながら電話をとったYさんは、衝撃の事実を耳にすることになります。

『もしもし、Yか?』
「うん、どうしたの急に?」
『〇〇くん(彼氏)とは、もう長い付き合いなのか』
「え…なんで知ってるの?」
突然父親の口から彼氏の名前が出て焦るYさん。まだ付き合っていることを両親に伝えてはいませんでした。
『昨日〇〇くんを自転車泥棒で捕まえたんだ。若い男がオバさんが乗るような自転車乗ってて、なんか変だと思って職質したら、盗難届が出てる自転車だった』
「…え?」
実はYさんのお父さんは隣町の交番に勤務する警察官。よく考えてみると、彼氏の家の近くでした。
『調書取ってたら、彼女の家に行く途中だって。そんで彼女の住所と名前聞いたらお前だったんだよ』
「えええええ!!!」
『あんまりこんなことは言いたくないが、自転車泥棒するような奴はやめとけよ。じゃあな』
お父さんはそう言って電話を切りました。

「あの自転車、盗んだ自転車だったんだ…」
そう思うとすっと恋心が冷めていくのを感じたYさん。その後彼氏から連絡があったものの、一切受け付けずに着信拒否をしてしまったそうです。

どんなに好きだった彼氏でも、自転車泥棒で、しかも自分の父親に逮捕されたとあっては百年の恋も冷めてしまいますよね。

ftnコラムニスト:緑子