人のものを欲しがる人っていますよね。もし自分の旦那さんまで欲しがられ、盗まれる危険にさらされたら、あなたはどうしますか?
今回は友人に旦那さんを狙われ、奪われかけたHさんのお話です。

バツイチ子持ちの友人

Hさんは旦那さんと2人暮らしのパート主婦。パート先では何人か自分と同年代の友人もでき、楽しく働いていました。

中でも一番仲良くなったのが、バツイチで子どものいる女性、Tさん。Hさんととても気が合ったので、プライベートでも家族ぐるみで食事や遊びに出かけるようになっていました。

Tさんの子どもは中学生と小学生の2人。どちらも明るい良い子で、Hさんと旦那さんにも懐いていました。

ある日、Hさんは他のパート先の同僚から気になることを言われました。
「Hちゃん、Tさんと仲いいの?」
「うん、家族ぐるみで遊んだりしてるよ」
「うちの子、Tさんの子と同じ小学校なんだけどさ…」
同僚が言うには、Tさんが子どもの同級生のお父さんに手を出し、それがバレて揉めに揉めたとのこと。
「あらま…」友人の意外な一面に驚くHさん。
「Hちゃんも旦那さん狙われないように気をつけなよ」
「あはは、うちは大丈夫だよー」
そう言いながらも、ちょっと心配になったHさんはTさんと会う時に旦那さんを連れて行くのを控えるようになりました。

「勉強を教えて」と言われて

Hさんがなんとなく旦那さんとTさんを会わせないようにしていると、Tさんから「旦那さんにうちの子どもの勉強を見てもらえない?」と連絡がありました。そういえば、Tさんの上の子は今年受験生。

Hさんの旦那さんはかなり高学歴で、塾講師のアルバイト経験もあります。それを知っていたからこそ頼んできたのでしょう。Hさんはあまり気が進まなかったけれど、子どもは良い子なのを知っていたので旦那さんに相談すると、「俺はいいよ!」と言うので渋々承諾しました。

「ありがとう!じゃあ旦那さん借りるねー♪」
「あれ、私も一緒に行くよ」
「えー、勉強の邪魔になるからHちゃんはいいよ」
「そんな…」
「晩ご飯もうちで食べて帰ってもらうね!」
そんなわけで、旦那さんはひとりでTさんの家に行くことに。

帰ってきた旦那さんは

「ただいまー…あー疲れた」
旦那さんが帰ってきたのは夜遅く。心配して待っていたHさんに、旦那さんは疲れた顔で言いました。
「Tさん、やべー奴だわ。俺もう行かないから」
「え、何があったの!?」

旦那さんに聞いてみると、実際子どもに勉強を教えたのは教えたそうなのですが、その間中ずっと胸の谷間を強調した服で旦那さんの前に座り、子どもに勉強を教える旦那さんをガン見。

その後晩御飯を用意してくれたはいいものの、あーん、と食べさせようとしたり、いちいち身体に触ってきたりと誘惑し放題。帰りに玄関先で抱きつかれ、キスをされそうになったので慌てて逃げてきたとのこと。

「あとさ、別に俺が勉強教えなくてもあの子勉強できると思うよ。志望校に十分合格できる学力あるし。一体俺ってなんのために呼ばれたの?」
「まじか、ごめん…」

どうやらTさんが「子どもに勉強を教えて欲しい」と言ったのは旦那さんを呼び出すきっかけに過ぎなかったようです。

「俺ああいう女の人苦手、もう付き合うのやめたら?」
じつはHさんの旦那さん、お色気ムンムンの女性が大の苦手。それで誘惑に応じなかったのです。

その後HさんはTさんと少し距離を置くようにしていると、そのうちTさんはパート先の店長と不倫し、それがバレてクビになってしまいました。

あまり人のものを欲しがりすぎると痛い目に遭いますね。

ftnコラムニスト:緑子