絵本は子どもの心にたくさんのものを与えてくれます。でもそれはプロが作った絵本のお話。素人が自分本位で作った絵本は逆に悪影響になることも。
今回は絵本製作が趣味の姑に振り回されるエピソードを、筆者の友人に聞きました!
ftnews.jp

絵本好きな娘の様子を共有すると……

A子には中学生になる娘がいます。これは、その娘が4歳だったころのエピソードです。

A子は毎週のように図書館で絵本を借りては娘に読み聞かせていました。その甲斐あってか娘も絵本が大好きに。少しずつひらがなも読めるようにもなり、その様子を動画共有アプリで姑にも共有したところ……

「やる気を出す」と宣言する姑

姑からは「まぁ!もう絵本が読めるのね!じゃあバーバもやる気を出しちゃおっと♡」というコメントが。実は、姑は趣味で絵画を楽しんでいて、孫が成長したら自作絵本を作って読ませたいと常々言っていたのです。
しかし、正直言って姑にはセンスがなく、描く絵もイマイチなものばかり……。A子は「ありがとうございます~」と言いながら、内心では姑がどんな絵本を持ってくるのか戦々恐々だったといいます。

ひどすぎる扱いに絶句!

しばらくして姑は宣言どおり自作絵本を3冊も持ってやってきて、A子の娘に読み聞かせ始めました。しかし内容はどれもバーバと孫のストーリーばかり!しかも必ずバーバが善人役で、最後には「バーバがいちばんだーいすき♡」で締めくくられています。
母親であるA子は出てこないし、やっと出てきたと思ったら亡くなっている始末……!

「失礼すぎるでしょ?!」と腹を立てつつも何も言えなかったA子は、その夜帰宅した夫に愚痴を言いましたが、夫は「母さんの生きがいだから大目に見てやれよ」と姑の肩を持つばかり。

結局姑は娘が小学生になるまで同じような自作絵本を作り続けたそうです。

娘の心に残っているのは……

しかし最近になって、A子の心をちょっとスッキリさせる出来事が。
中学生になった娘が、「おばあちゃんの絵本、内容はよく覚えてないけど毎回おばあちゃんと私しか出てこなくてヤバかったよね(笑)」と言ってきたのです。

他の絵本は何冊も覚えていて今でも大切にしているくらいなのに、やっぱり姑が書いた絵本は中身がなさすぎて心に残らなかったようです……。

ちょっと気の毒な気もしますが、自分本位な愛情は伝わらないということなのかもしれませんね。

ftnコラムニスト:藍沢ゆきの