今回は旦那さんの不倫旅行に気付き、時間差でとんでもない効果を発揮する爆弾を仕掛けたOさんのお話です。
あやしい旦那
Oさんは旦那さんと社内恋愛の末に結婚。妊娠をきっかけに退職し、今は専業主婦です。子どもが幼稚園に上がった頃から旦那さんは残業や出張で家を空けることが増え、ほぼワンオペ育児になってしまいました。
ある日Oさんはかつての職場の同僚で、Oさんと同じように社内恋愛で結婚、退職した女性と子連れでランチに行くことに。
同僚の旦那さんは、Oさんの旦那さんとは違う部署ですが同期入社。結婚前にはよくダブルデートをするほど親しい仲でした。
「最近旦那が残業とか出張ばっかなんだよねー。そっちも忙しい?」
Oさんの問いかけに、返ってきたのは意外な返事でした。
「え?何言ってんの。このご時世で出張なんか全然ないよー」
「ん?どういうこと?」
「不景気だから残業も控えるように言われてるらしいし。よっぽどのことがない限りみんな定時で帰ってるはずだよ。あんたの旦那、どっか別のとこで時間つぶしてんじゃない?」
「ええー!!!」
同僚の言葉に、驚いて固まってしまうOさん。旦那さんは残業や出張と言って一体どこへ行っているのでしょうか。
「こりゃ浮気だな」
「だね…信じたくないけど」
Oさんはショックな気持ちを抱えたまま同僚と別れ、帰路につきました。
ウソ出張バッグに仕掛け
「あ、また来週出張だから」
Oさんの旦那さんは家に帰ってくるなり、Oさんに出張があると告げました。
「そんなに出張あるの?忙しいのね」
「ああ、今ちょっとデカい案件抱えてて…」
何か別のものを抱えてんじゃねえか、と言いたいけれどOさんはぐっと我慢。
「わかった、じゃあ出張用のバッグ出しておくわね」と何も疑ってない風を装いました。
そしていよいよウソ出張の前日。旦那さんが出張の時はいつも肌着や靴下、洗面用具などを出張用のバッグに詰めておくのがOさんの役目でした。それをいいことに、Oさんはあるものをバッグの側面にあるポケットに忍ばせておきました
「あなた、気を付けて行ってらっしゃい」
「ああ、行ってくるよ」
出張用のバッグを玄関先で渡し、Oさんは子どもと一緒に旦那さんを見送りました。それはとても暑い日でした。
突然の電話
そしてその日の夜。Oさんのスマホに1本の電話がかかってきました。それはウソ出張中の旦那さんから。
「どうしたの?いつも電話なんかくれないのに」
「…おい、俺のカバンに何入れた?」
「あら、何のことかしら」
「めっっっちゃクセエんだよ!!!」
実はOさん、旦那さんのバッグに牛乳をたっぷり浸した靴下を忍ばせていたんです。その日の暑さで牛乳が腐り、皆さんもきっと嗅いだ覚えがある、牛乳を拭いた雑巾の匂いがカバンの中に充満するように。
きっと不倫相手と旅先についたところでカバンを開けたのでしょう。その頃にはカバンの中のものすべてがクサくなっているはずです。
「自分の胸に手を当てて考えてみてよ、そんなことされる理由を。出張なんかウソなんでしょ?」
「え?ちょ、なんで…」
焦る旦那さんを無視して、電話を切るOさん。
翌日旦那さんが帰ってくる頃には、身の回りの物を持ってOさんは子どもと実家に帰っていました。
すぐに実家に迎えに来た旦那さんは、異様な臭いを放ったまま玄関で土下座。そして洗いざらい全部自白しました。
ウソ出張の相手は会社帰りによく立ち寄っていたスナックの女の子。あまりに持ち物がクサいので先に帰られてしまったそうです。自業自得ですね。栄養たっぷりでおいしい牛乳は、時に凶器にもなるということがわかるお話でした。
ftnコラムニスト:緑子