会いたくても、会いたくても、会えない現状
彼が転職をしてから半年、お互いの仕事の都合で会えないことが増えて行った。最初は無理してデートをする時間を作ってたんだけど、お互いにだんだん負担になっていき、電話で済ませたり、メッセージで済ませるようになってしまったと、A子は語り始めました。
クリスマスはどうなるんだろう?
12月に入れば世の中はクリスマスムードで盛り上がる。「私たちはクリスマスにデートできるんだろうか?」そんな不安を抱えながら、A子は彼とクリスマスの予定について話し合うことになったんだそうです。
A子がクリスマスデートに拘り過ぎたせいか、彼はクリスマスは会社に無理を言って休ませてもらったらしく、ちょっと不機嫌に感じたと言います。
「無理させてごめんね」と言ってみたものの、「おう」という答えしか帰って来なかったんだそう。
もしかして振られる?不安が付きまとう
デートの約束をした日以来、彼からの連絡は殆どなく、A子は「もしかしたらあの日を境に彼の心境に変化があったのかも知れない」と思ったと言います。
A子:「どうしよう、今回が最後のデートなんてこと、ないよね」と不安に思うようになっていました。私が子供のように「クリスマスデートだけは絶対に外せない!」なんて言ったから、呆れてしまったんだろうか?と思いました。
不安が更に不安を呼ぶ…。
いざ、デートへ!
A子は不安を押し殺しながら彼との待ち合わせ場所だったレストランに行ったんだそうです。彼はA子よりも早く着いて既に席に座っていて、いつもよりもほんの少しフォーマルな姿の彼に、いつもよりもほんの少し高級なレストラン。ピアノの生演奏があって静かで素敵な場所だったと聞きました。
A子:私に気づいた彼はいつもよりも優しい顔で私に微笑んでくれたんです。それを見てちょっと安心しました。
そして感動のエピローグへ
彼の笑顔を見て安心したA子は、今まで不安だったこと、会えなくて寂しかったことを伝えたんだそうです。
すると彼は、
「俺は君との将来を真剣に考えたから転職をしたんだ。でもそしたら君と会えなくなってしまって、俺も辛かった。今回も無理して休みを取ったのは俺が君に会いたかったからだよ」
と、言ったんだそう。そして、
「このまま俺とずっと一緒にいれくれる?」
彼女は大きく縦に首を振りました。
A子:光り輝く大粒の涙と一緒に私の不安は洗い流されて行きました。
筆者はこの話を思い出し、クリスマスにはいつも暖かい気持ちになります。
ftnコラムニスト:アッキーム