できちゃった婚は今では授かり婚とも呼ばれていますが、ひと昔前はあまり良く思われないこともありましたね。
今回はできちゃった婚で義妹にいびられていたら、ひょんなことから力関係が逆転したFさんのお話です。
ftnews.jp

結婚に反対した小姑

Fさんはいわゆる、できちゃった婚。子どもがお腹にいることがわかってから、それぞれの両親に結婚の報告をすることになりました。

旦那さんのご両親は役所に勤める公務員で、小姑にあたる義理の妹は警察官というちょっとお堅い家庭。子どもができたことを報告すると、旦那さんに「ちゃんと責任をとりなさい」と言って結婚を認めてくれました。

またFさんもお父さんが公務員の家庭だったので、順番が違うことには少し引っかかるようでしたが、やはり孫の顔が見られるのは嬉しいようで結婚を許してくれました。

ただ旦那さんの妹、警察官としてバリバリ働く義妹はFさんを見るなり「入籍より先に妊娠なんて恥知らず。わざと避妊に失敗したんじゃないの?」だの、「お兄ちゃんにはもっと知的な女性と結婚して欲しかった。こんなバカそうな人が兄嫁なんて」だのと、罵詈雑言を投げかけて結婚に反対している様子。

Fさんは「私ひとりで子どもを作ったわけじゃありません」と反論するも、「私、子どもを盾に結婚を迫る女って大嫌い!」と言われる始末。全く話が通じず、その場は引くしかありませんでした。

苦痛の同居生活

Fさんは出産や育児にかかるお金を貯めるため、旦那さんの実家でしばらく同居をすることになりました。そこにはまだ実家暮らしの義妹も暮らしています。

幸い義妹の仕事は夜勤があるので毎日顔を合わせるわけではありませんでしたが、だんだん大きくなってくるFさんのお腹を見ては「どうせロクな家で育ってないんでしょ、親の顔が見てみたいわ」などとイヤミを言ってきたそうです。

Fさんは胎教に悪いからなんとかしてくれと旦那さんに訴えましたが、旦那さんも妹かわいさにあまり強くは言えず、結局Fさんだけがつらい思いをする日々が続きました。

父からの電話

そんな日々が続き、なんとか臨月を迎えたある日。里帰り出産の支度をしているFさんのもとに、実のお父さんから電話がありました。
『もうすぐ実家に帰ってくるんだろ?父さんもちょうど転勤になったからそっちに帰るよ』
Fさんのお父さんは国家公務員。別の県で単身赴任をしていましたが、転勤の辞令があったのでFさんの実家に帰れそうだという電話でした。
「ほんと?じゃあ赤ちゃん見せられるね、嬉しい!」
『楽しみにしてるよ。ああ、そういえば〇〇くん(旦那さん)の妹さんは△△署にいるんだっけ?』
「うん、そうだよ。どうしたの?」
『実はそこの署長に就任するんだよ。娘をよろしくって言わなきゃなあ』
「え、そうなの!?」
実はFさんのお父さんも義妹と同じ警察官だったのです。ただ義妹には公務員としか伝えていなかったので、義妹がそれを知る由はありません。
『そうだ、妹さんの上司に先に伝えておこうかな』
「あのね、お父さん…」
Fさんは義妹にいびられていることを初めてお父さんに伝えました。するとお父さんは重く厳しい声で「早く実家に帰ってきなさい。親の顔が見たいならお父さんが直接見せておくから」と伝えたそうです。

その後Fさんは実家に帰り、間もなくお父さんは義妹のいる警察署に署長として就任しました。するとFさんのスマホの着信履歴は毎日義妹からの着信でいっぱいに。

留守番電話を聞いてみると、『なんで先に教えてくれなかったの!?』『そんな偉い人のお嬢さんだなんて知らなかったわよ…知ってたらもっと優しくしたのに』というメッセージが。警察は超がつくほどの縦社会ですから、どうやら上司からこっぴどく叱られたようです。

Fさんは元気な赤ちゃんを産み、同居生活で貯めたお金で買ったマンションで家族3人仲良く暮らしていますが、未だ義妹からの電話には出ておらず、赤ちゃんも会わせてはいないそうです。

ftnコラムニスト:緑子