憂鬱…今年も年末年始がやってくる…
奈津子さんは小学生の息子と夫の3人で暮らす平凡な主婦。奈津子さんにとって1年で最も憂鬱なのが年末年始でした。飛行機で行く遠方の義実家には年末年始だけは帰らねばならず、しかも嫁としてこき使われるのです。
「29日から帰るから」と夫は当たり前のように話します。今年も奈津子さんの意思とは関係なく、年末年始の日程が決められ奈津子さんは憂鬱な気持ちに。ですが、1年に1回のことだからと我慢し帰省する覚悟を決めるのでした。
夫はどこ?嫁ってお手伝いさんでしたっけ?
飛行機に乗って義実家に到着すると座る暇もなく、奈津子さんには掃除道具が渡されます。奈津子さんは言われるがまま義実家の大掃除を済ませていきます。掃除に一生懸命なため気づきませんでしたが、夫は夕食時になっても義実家にはおらず出かけているようでした。
「今日、どこに行ってたの?」夜になり夫に尋ねた奈津子さん。夫は「久しぶりの地元なんだからいろいろあるんだよ!」と責めてもいないのに逆切れ。一日お手伝いさんとして働きすっかり疲れていた奈津子さんは、夫の態度を気に留めることもなく寝てしまいました。
やっと解放された!と思ったら衝撃の光景
「奈津子さんも初詣にでも行って来たら?」義母からそう言われたのは1月2日のこと。かなり疲れていた奈津子さんでしたが、息子と近所の神社に初詣に行くことに。この時も夫は不在だったので2人での初詣です。神社に到着し息子が喜んでおみくじを引こうと社務所に向かうと、そこには見慣れた姿がありました。目の前でおみくじを引き浮かれている中年のバカップルは夫だったのです。腕を組みおみくじをイチャイチャと見せ合う2人はどう見ても男女の関係。
「お父さん!何してるの?」
息子は無邪気に尋ねます。夫、不倫相手、奈津子さん、その場にいた全員はしどろもどろになりながらも友達と初詣に来ていたということにして乗り切ります。夫もデートどころではなくなったのでしょう。3人で義実家へと帰り、そこから猛省&言い訳タイム。
許せない!奈津子さんの選んだ落としどころは…?
夫が不倫をしていたこともショックでしたが、何より自分がこき使われていた間のことだったのが許せない奈津子さん。明日はもう義実家から帰る日でしたが、それまでの間お手伝いはボイコットし夫に働いてもらうことに。
家に戻った奈津子さんは、年末年始の帰省を今後は一切しないこと、もし義実家に行くことがあっても今後は夫が率先して働くことを条件に夫の浮気を許すことに。もちろんまだ許せない気持ちはありますが、1年の内で最も憂鬱な行事を回避できることになりラッキーと思う気持ちもある奈津子さんなのでした。
ftnコラムニスト:安藤こげ茶