不動産屋の跡取り息子と結婚
今回ご紹介するのは筆者の友人K子のエピソードです。
K子は去年地元の同級生と結婚しました。お相手は不動産屋の跡取り息子で、K子も会社を辞めて彼の両親が経営する不動産屋で事務員として働くことになりました。
家族経営でしたが社長の舅と副社長の姑はK子に優しく、慣れないながらも早く仕事を覚えようとK子は必死でした。
いわくつきの部屋の鍵と、不自然な姑の言動
不動産屋では家主から依頼を受けて、空き部屋の管理もしていました。
鍵はまとめて金庫に保管してあるのですが、K子は何度か用事でその金庫を開け閉めしているうちに、いつも同じ部屋の鍵が無いことに気付きます。
その部屋はたしか事故物件で、長い間借り手がつかないまま、見学の予約すら入っていないはず……。
鍵の管理はK子と姑でおこなっているため、姑に「○○マンション605号室の鍵がいつもないんですけど」と言うと、姑は慌てたように「あぁそれはいいのよ!気にしないで!」と言い、それ以上の追求を避けるようにそそくさと外回りに出てしまいました。K子はそんな姑の様子に違和感を覚えたといいます。
好奇心を我慢できず……
後日、K子は1人で事務所の掃除をしている時、姑のデスクの上に問題の鍵があるのを発見します。放置しておくのも防犯上よくないし、金庫に戻しておこうと思ったのですが、ついつい好奇心が勝ってしまって、「みんなが帰ってくるまでに戻せばいいか」と思い、その鍵の部屋へとこっそり向かいました。
実はK子はオカルトマニア。本物の事故物件を見てみたいと思ったのです。しかし、ドキドキしながら部屋のドアを開けると、そこには予想外の光景が。
事故物件で誰も住んでいないはずの部屋は、ラグジュアリーな内装で飾り立てられ、まるでラブホのような妖艶な雰囲気の部屋になっていたのです……!
まさかここで?!
よく見ると、部屋の中にはいたるところに見覚えのある姑の私物が。そして豪華なベッドの周りにはセクシーなランジェリーやアダルトグッズが揃えてあったそう。
事故物件で誰も来ないのをいいことに、姑は自分の不倫場所としてその部屋を使用していたのです!
さすがに黙っているわけにもいかず、帰宅後K子は夫に事の次第を話します。すると夫からは「またか!」という予想外の言葉が。
実は姑はこれまで何度も不倫を繰り返して問題になっていたといいます。「でもさすがに、よそから預かって管理している部屋で不倫をするなんて……」と夫も言葉を失っていました。
姑は失脚
舅はもちろん激怒!結局この件をきっかけに、姑は副社長の座から外されて事務所への出入りも禁止になったそうです。
K子には「あんたのせいで!」と逆恨みされ、顔すら合わせてくれなくなったんだとか。
でも夫も舅もK子には優しくしてくれるため、不動産屋の若奥さんとして意外と楽しい日々を送っているとのことです。
ftnコラムニスト:藍沢ゆきの