そろそろ忘年会シーズンですよね。最近はコロナ禍のため大人数で忘年会をすることは減りましたが、ちょっと前までは職場の全員が集まって忘年会をしていたところも多いのでは?実は大人数の飲み会って、幹事をするのがちょっと大変なんですよね。
そんな忘年会の幹事を引き受けてしまった時に、ちょっとやらかしてしまった時のお話です。
ftnews.jp

同期入社なのに威張る同僚

当時私が勤めていたのは、従業員がほぼ全員女性のアパレル店。まだオープンしたばかりなので、店長以外全員が同期といっても良い関係でした。

ただし年齢は違って、10代の学生さんから40代後半の主婦まで様々。特に上下関係はないはずなのに、その店で最年長の40代女性、Tさんが店の風紀委員のように皆をまとめ、色々と仕切っていました。

店長もその女性より年下ということもあって逆らえず、店の中は実質Tさんのやりたい放題。

自分の気に入った子は贔屓して、ちょっとでも反抗的な態度をとれば無視をするなど、皆気づいてはいたけれど面倒なことに巻き込まれるのは嫌なので、Tさんには腫れ物をさわるような態度で接するしかありませんでした。

忘年会をすることになったけれど・・・

オープンしてから数ヶ月して初めての年末を迎えることとなり、Tさんが「皆で忘年会しようよ!」と突然言い出しました。皆微妙に嫌だな、と思いながらも断ると面倒なのでとりあえず賛成。

するとTさんは「じゃ、〇〇さん(私)と△△(同僚)さん幹事よろしく!飲み屋いっぱい知ってるでしょ。いつも行ってんだから」と言い出して丸投げ。独身の私と同僚がよく帰りに飲みに行っているのを、実は羨ましく思っていたようでした。

私も同僚もおとなしくて、あまり自分の意見を言えないタイプなのをいいことに、Tさんは色々と注文を付けてきました。

「美味しいとこじゃないとだめよ、あと私中華が苦手だから中華以外で。私潔癖だからお鍋もイヤだし、なんか適当にいいとこ予約してよ!あ、もちろん飲み放題付きね!」

私と同僚は年末で仕事もバタバタとしているなか、スケジュールと人数確認、お店探しに奮闘。一応Tさんにこの店はどうかと提案しては却下される、というのを繰り返してもうへとへとでした。

結局TさんがOKを出す店を見つけるまでには数日かかり、忘年会シーズンで予約が埋まりそうなところをぎりぎりで押さえることができたのでした。

うっかり誤送信!

店のスタッフ全員のグループLINEに日程と時間、店の場所と会費をアナウンスでお知らせして、やっとひと段落ついた私と同僚。

あまりに疲れていたので、仕事が終わって帰った後にLINEでTさんの愚痴を言い合っていました。
『いやマジで幹事ヤダ…』
『ほんとだよね、当日お金集めるのも私たちでしょ?ダルいー』

同僚と個人LINEをしながら、店のグループLINEでは他のスタッフたちから来た「何駅から行ったら良いかな?」「店で集まってから行く?」などといったLINEや、Tさんからの「やっぱちょっと店ショボくない?飲み放題のドリンク、種類少ないし」とかいうLINEに返信していたせいでしょうか。

『あーもうふざけんな!口出すなら自分で幹事やれ!動いてもいないのに文句言うな、クソが!!しばくぞ!!』
とTさんへの愚痴を同僚にLINEをしてから、ちょっとスマホから目を離していると…。

ピコンピコンピコン・・・LINEの通知が鳴りやまなくなっているのに気づきました。
「え、なに?こわい…」
恐る恐るスマホを見ると、同僚から「〇〇!誤爆してる!」というメッセージ。その下で、職場のグループLINEの通知は20件を超えていました。

「ヤバ、間違えて店のグループLINEに送っちゃった…」
きっとTさんにブチ切れられてるだろうな…と、死にたい気持ちで店のグループLINEを開いた私。
すると…。

『その通りだと思います!』
『この忙しい時期に幹事してくれるだけでもありがたいのに』
『クソは言い過ぎだけど、キレる気持ちわかる』
『てか〇〇さんがキレるとかよっぽどでしょ』
『なんで全部Tさんの好みに合わせなきゃいけないのって思ってたー』
といった、意外と私に好意的なメッセージばかり。どうやら皆、ついに私がキレたと思っているようでした。既読は全員分ついているのに、Tさんからの返信は一切ありません。

『とりあえず幹事さんたちありがとね。みんな明日も忙しいんだから早く寝てー』と最後に店長が締めて、その日のLINEは終了。

次の日Tさんと職場で顔を合わせましたが、昨日のLINEで皆の気持ちがわかったのか、いつもよりおとなしい態度でした。そして私に対しては何故かビクビクしていたので、突然キレられたのがよっぽど堪えたのだと思います。

誤送信に気付いたときは肝が冷えるような気持ちでしたが、結果的にTさんがおとなしくなったし忘年会も楽しめたので良かったかな、と思える経験でした。

ftnコラムニスト:緑子