デパ地下は憩いの場
友人のAさんは、地元でも有名な高級デパートの食品売り場、いわいるデパ地下で働いています。
お年寄りや小さな子供を連れたママたちはもちろん、親子三代で来店したりとお客様にとっては憩いの場でもあるそうです。
しかし、まれにデパ地下にふさわしくないお客さんが来店することもあるそう。
デパ地下に現れた不審な男性客
ある日、開店直後に一人の男性客がデパ地下にやってきました。
男性のお客様が一人で来店することは、珍しくないそうです。
大抵は割引後のタイムサービスを狙ったり、奥さんや彼女へのプレゼントにケーキを購入したりと、夕方から閉店間際にやってくるそう。
そんななか、開店直後に入ってきた男性客。
しかも、見た目がかなりヤバかったのです。
スキンヘッドで虎の刺繍が入った革ジャン、コロナ禍にもかかわらずノーマスク。
ヤバい客オーラを放つ男性の来店に、デパ地下の店員たちは目配せをしながら、動きを警戒していたのですが…。
怒鳴り声をあげる酔っ払いクレーマー
Aさんたち店員の嫌な予感は的中しました。
男性客が、レジにやってきて一人の女性店員に「てめぇこらぁああ!」と怒鳴りかけてきたのです。
第一声から、怒りマックスの男性客。
しかも、女性店員の顔にグッと自分の顔を近づけて大声で怒鳴り続けています。
男性客は呂律が回っておらず、どことなく目もうつろで、完全に酔っ払っています。
どうやらデパ地下にお酒を探しにきたのですが、お目当ての商品がなくレジ店員に文句を言い出したのです。
デパートの代表として丁寧に対応
Aさんたち店員は、すぐに保安課に連絡。
ほどなくして、駆けつけた保安員に男性客は連行されました。
保安員に連れていかれる間も、大声で叫んでいたそうです。
対応した女性店員は、さぞかし怖い思いをしたでしょう。
Aさんいわくデパートの店員は、どんなお客様に対しても常に丁寧な対応をしなければいけないそうです。
なので、この女性店員も男性客に怯むことなく、低姿勢で「申し訳ございませんでした」と言っていたそう。
筆者も、接客業は会社のイメージを守るための振る舞いを求められる、大変な仕事だと痛感しました。
ftnコラムニスト:広田あや子