クレーマーにも丁寧に対応
小学校で事務員をしているAさん。
事務室では、学校にかかる電話や窓口にくる方への対応に追われています。
そのなかには、保護者や地域の方からのクレームも少なからずあるそう。
どんなときも嫌な顔をせず丁寧に対応しても、思わずイラッとするクレームもあるんだとか。
怒り狂った祖母からの電話
夕方、児童のおばあちゃんから電話がかかってきました。
「孫が学校からもらったお知らせについて聞きたいんですけど!」
Aさんが電話にでるなり、ちょっとキレ気味のおばあちゃん。
お知らせってなんだろう?とAさんが考えていると、おばあちゃんが
「七五三の日にバザーをするなんて、そちらの小学校はなんて非常識なんですか!」
とまくし立ててきたのです。
怒りが収まらずヒートアップする祖母
Aさんが勤める小学校では、毎年11月にバザーを開催します。
その年は、開催日が11月15日の七五三の日に重なっていたのです。
「せっかく、孫の晴れ着姿を楽しみにしてたのに!学校のせいで七五三ができなくなったじゃない!」
と電話口で怒鳴り散らすおばあちゃん。
Aさんはおばあちゃんの気に触らないように
「それは残念でしたね。申し訳ありませんが、学校行事の日を変更することはできませんので…」
と丁寧に説明しますが、おばあちゃんの怒りは収まりません。
教頭先生の機転の利かせた対応
Aさんの様子をみていた教頭先生が助け舟を出してくれます。
電話を受け取った教頭先生は
「ぜひ児童の親御さんにも説明を差し上げたいので、おばあさまのお名前と児童のクラスと名前を教えていただけませんか?」と伝えた瞬間…。
「いや…それは…困ります。娘夫婦には内緒にしてください」
とおばあちゃんは急に涙声になりモゴモゴしだしたのです。
その後、すっかり大人しくなったおばあちゃんは
「ごめんなさい。なかったことにしてください」と言って電話を切りました。
上手にクレーム対応をしないと、クレーマーの怒りに油をそそぐ結果になることもあります。
今回のように、匿名で怒りをぶつけてくる相手は個人情報を知られることを嫌がります。
そこを上手に利用した教頭先生の対応は、お見事でしたね。
ftnコラムニスト:広田あや子