今回は気を遣って旦那様の実家に行くのを控えていたらお姑さんにブチ切れられたAさんのお話です。
ワクチンは接種したものの
Aさんは病院に勤務している医療従事者。新型コロナワクチンは接種したものの、医療従事者というだけで嫌がられたりすることもあり、極力家族と職場以外の人とは接触しないように心がけていました。
特にAさんの旦那さんのご実家には高齢の義父と、アレルギーでワクチンの接種を受けられない義母(基礎疾患あり)がいることもあり、なかなか顔を見に行くこともできないまま。
「お正月くらいはご挨拶したかったけど…」
年始は毎年義実家を訪問していましたが、今年はできないと気にするAさんに旦那さんは「電話でいいよ」と言って簡単に年始の挨拶を済ませ、ちょっとした贈り物を手配するだけにとどめておきました。
姑からの鬼電
年が明けてしばらくして、休みの日にAさんと旦那さんが自宅でくつろいでいると、旦那さんのスマホにお姑さんから何度も着信があったことに気付きました。
「どうしたんだろう…何かあったのかな?」
尋常ではない回数の電話に驚き、旦那さんは慌ててお姑さんに電話。するとワンコールするかしないかぐらいで電話が繋がり、お姑さんの怒号が響きました。
「かけなおすのが遅いわよ!あんたたちちっとも顔も見せないで、これでいいと思ってんの!?特にAさん、本当に役立たず嫁ね!嫁なんだからちょっとは気を遣ってご機嫌伺いに来たらどうなのよ!!!」
思わず絶句してしまう、Aさんと旦那さん。感染を防ぐために会わずにいたことが、まさかそんなにお姑さんを怒らせることになるとは。
旦那さんの言葉で…
「どうしよう…今からでも行った方がいいのかな?」とオロオロするAさん。しかし旦那さんはひとしきりお姑さんの文句を聞いてもシレっとした表情のまま。
「あのさあ…」
その後旦那さんの口から出てきたのは、思いがけない言葉でした。
「そんなこと言うならもう一生行かないよ。こっちはそっちの体を気遣って行くのやめてるんだから。あとAのこと悪く言うのやめろよ。これ以上言ったら縁切るからな」
「そこまで言わなくてもいいじゃない…」
思ったより冷たく突き放され、お姑さんもしょんぼりした様子。きっとコロナ禍で不安が募り、それを息子と嫁にぶつけてしまったのでしょう。
「落ち着いたらまた行くから。それまで元気でいてよ」
旦那さんはそう言って電話を切りました。
「大丈夫?あんなこと言って」
気にするAさんに、旦那さんは笑って答えたそうです。
「多分寂しかったんだろうな。でも一時の感情で、俺の家族に役立たずなんて言って欲しくないよ」
「…ありがとう」
その後Aさんは改めてお姑さんに電話をかけ、コロナが収まってきたらまた会いに行くことを約束したそうです。コロナ禍では誰しも不安な気持ちになりますし、お姑さんの気持ちもわかりますが、それをただの暴言に変えて相手にぶつけてはいけませんよね。
ftnコラムニスト:緑子