後継を期待された結婚
Aさんが33歳のとき、婚活パーティーで知り合った年下の男性と意気投合し交際をはじめました。
彼は、田舎にあるお寺の長男です。
そのため交際前から「お寺を継ぐ子どもがすぐにでも欲しい」とストレートに言われていたそうです。
結婚10年目で待望の第一子を授かった夫婦
Aさんの年齢を考え、結婚後すぐに妊活をスタートしました。
しかし、病院で検査をすると二人とも不妊の傾向があり、妊活が長期戦になることを知ったのです。
それでも二人は諦めず不妊治療を行い、結婚10年目にようやく待望の第一子を授かりました。
Aさんの妊娠に、夫はもちろん義理の両親も大喜びです。
そのためAさんの体を気遣って、お寺の仕事も減らし、義母は毎食栄養の豊富な食事を用意してくれました。
しかしそんな生活も長くは続かなかったのです。
あからさまに「男の子が良かった」と言われ…
Aさんが妊娠6ヶ月目、赤ちゃんの性別が女の子だとわかりました。
すると、夫や義理の両親の態度が急変。
それまでは、夫たちは当然のようにお腹の子は男の子だと確信していたのです。
なので、赤ちゃんが女の子だとわかると、Aさんに「男の子が良かった」「後継にならん」と罵声を浴びせたのです。
ある日、Aさんは近所の檀家たちが義母に向かって「男の子じゃなくて残念ね」と言っているのを耳にしてしまいます。
その瞬間、Aさんは離婚を決意。
その日に夫と義理の両親に向かって「離婚前提に実家に帰ります!」と宣言したのです。
後継に男女は関係ない時代
夫はAさんのあまりの迫力に怖気付き「それだけはやめて!」と泣きついてきたそうです。
義理の両親も「檀家さんやAさんの両親に示しがつかない」と言い出し、Aさんに謝罪したそうです。
その後、とりあえず離婚はしない選択をしたAさん。
無事に元気な女の子を出産しましたが、一人目で夫や義理の両親の変わりっぷりを体験したので、二人目は考えていないそうです。
家を継ぐのは男という固定観念はもう古いです。
妻が夫を支える「内助の功」は昭和で終わり。
令和は、女性がどんどん表にでて活躍する時代です。
Aさんの娘ちゃんが、数年後お寺を守る立派な尼さんになるのか楽しみです。
ftnコラムニスト:広田あや子