今回はマッチングアプリで出会い、交際していた男性が逮捕されてしまうというショッキングな体験をしたOさんのお話です。
後輩にマッチングアプリを勧められ
Oさんは20代後半の女性。職場は化粧品売り場で、スタッフも女性ばかり。出会いがなく、彼氏いない歴はもう3年になっていました。
「この仕事さあ、全然彼氏とかできないよね…」職場の飲み会でそう愚痴をこぼすOさんに、後輩が突然言いました。
「先輩、アプリしてみたらどうですか?私最近アプリで会った人といい感じなんです!」
「ええ~、アプリ?出会い系でしょ、怖くない?」と怖気づくOさん。
「最近のアプリは結構普通の人ばっかりなんで大丈夫ですよ!ほらスマホ出して!」
後輩の指導のもと、Oさんはとある有名マッチングアプリをダウンロードし、プロフィールを登録することになりました。
超タイプの男性と…
Oさんはあまり気乗りしないままアプリを始めました。ところが、登録したとたんに男性からメッセージが山ほど来てしまい、戸惑うOさんは翌日後輩に助けを求めました。
「メッセージの返事が追い付かないんだけど!」
「最初はメッセージがいっぱい来るんで、メッセージを送ってきた人のプロフィールを見て返事をするか決めたらいいですよ!」と後輩に言われたOさんは、メッセージを送ってきた男性のプロフィールを順番にチェック。すると、ある一人の男性のプロフィール写真がOさんの目を惹きました。
「ちょっといい感じじゃん…」
そこに写っていたのは、すらりと背の高いイケメン。Oさんのどタイプだったそうです。
Oさんはウキウキ半分、不安半分で彼にメッセージを返信しました。するとすぐに彼からも返信が。
『返信をありがとうございます!どちらにお住まいですか?』
彼のメッセージはとても丁寧で紳士的で、不安だったOさんもひと安心。そしてメッセージのやりとりは続き、Oさんの住んでいるところと彼が住んでいるところが近いこともわかったので、とんとん拍子で会う日が決まりました。
初デート、そして交際へ
いよいよ初デートの日。Oさんは仕事終わりに待ち合わせ場所でドキドキしながら彼を待っていました。写真と実物が全然違う時もある、と後輩に聞いていたので、写真と違う人が来たら帰ろうと思いながら。
「Oさんですよね?初めまして!」
そこに現れたのは、写真と全く同じイケメン男性。実物の方が素敵なくらいでした。
彼はOさんの2つ年上で、かなり大きな企業に勤めるサラリーマン。スーツの似合う長身で、超イケメンの彼にOさんは一目惚れしてしまったのです。
そこから食事に行き、次にデートをする日を決めてバイバイ。食事をしながらOさんと彼が水族館好きという共通の趣味があることで盛り上がり、次は水族館デートをすることに。
そしてその後もデートを繰り返し、2人はお付き合いをすることになりました。
突然の音信不通
2人が付き合ってから1ヶ月後。ちょうど1ヶ月だし、記念に晩ご飯に誘おうと彼にLINEを送ったOさん。
普段ならすぐに既読がついて返信が来るのに、その日はいつまで経っても既読がつきませんでした。
そしてその次の日もまた、既読がつかないまま。こんなことは初めてでした。
「どうしたんだろ…スマホ壊れちゃったのかな?もしかしてフラれちゃった?」
最後のLINEを送ってから一週間後、不安になったOさんは彼と連絡がつかないことを後輩に相談してみました。
「まあアプリの人って結構ドライだから急に音信不通とかもよくありますけど…でもいい感じだったんですよね?なんかあったんじゃないですか?」
「そうだよね、きっとなんかあったんだと思う…。もし私と別れたくなったとしても、急に音信不通は辛いから一応理由聞きたいし!」
Oさんは覚悟を決めて、彼に会いに行くことに決めました。とは言えまだ付き合って1ヶ月。
お互いの自宅にも遊びに行っておらず、場所もよくわかっていなかったので、とりあえず彼が通勤で利用する駅で仕事帰りの彼を待ち伏せすることに。
「…全然来ないなあ」
待てど暮らせど彼は現れません。Oさんは終電近くまで彼を待っていましたが、結局彼が通ることはありませんでした。
Oさんはその日から毎日のように、遅くまで駅で彼を待ちました。
「もしかしたら会社も住んでいる場所も全部嘘だったのかな…」そう諦めかけては、彼はそんな人じゃない!と思い直す毎日だったそうです。
やっと彼から連絡が!
来る日も来る日も彼を駅で待ち続けてからちょうど2週間が経過した頃。いよいよもうダメかも、と諦めかけていたOさん。たとえブロックされていたとしても、一応最後に彼にさよならのLINEをしようと彼とのトークルームを開きました。
「既読ついてる!」なんと、前に自分が送ったLINEに既読の文字がついていたのです。
『久しぶりだね、どうしてる?』とりあえず様子を伺うLINEをしてみるOさん。
『ずっと連絡できなくてごめん』と彼からすぐに返信が来ました。
『なにかあったの?』ドキドキしながら、Oさんは尋ねました。
『ごめんなさい。逮捕されてました』逮捕!?穏やかではない彼の返信にOさんは戸惑うばかり。
『逮捕って、なんで?』
『痴漢です。朝の電車で、どうしても我慢できなくて。示談になったけど、会社もクビになりました』
『そうなんだ…』
あんなにイケメンで素敵な彼が、痴漢…。Oさんはそれ以上彼にかける言葉もなく、ショックのあまり彼をブロック。100年の恋も冷める瞬間を体感したそうです。
マッチングアプリでの出会いが悪いわけではなく、たまたま出会った彼が罪を犯しただけ。そう思ってもやはりアプリで誰かに会うのはやめようと思ったOさん。
「次に恋をするときは、イケメンじゃなくていいからまともな人がいい」とのことです。どんなに見た目やスペックが良くても、犯罪を犯してしまえば一瞬ですべてがダメになってしまいますから。
ライター:緑子