でも、そのクリスマスを利用して不埒なことを考える毒親もいるようです……!今回は子ども時代の苦々しい思い出を、筆者の友人のYさんに語ってもらいました。
クリスマスに不在の父
Yさんはごく普通のサラリーマン家庭で育ちました。
父親は配送関係の会社で家族のために必死に働いていて、特に年末年始が近付くと仕事が忙しくなり、会社に何日も泊まりこむことも多かったそうです。
もちろんクリスマスも毎年不在……。でも、そんな父親の代わりにYさんの家に毎年やってくる人物がいました。
毎年やってくるのは……?
それは、なんとサンタクロース!
といっても、寝ている間にこっそりプレゼントを置きにくるわけではありません。Yさんの家には、毎年クリスマスに赤い服を着て白いひげをたくわえたサンタクロースがプレゼントを持って実際にやってきていたのです。
もちろん幼いYさんは大喜び!毎年クリスマスを楽しみにしていました。
サンタクロースはクリスマスの夕方ごろやってきて、Yさんと母親と一緒に夕食を食べ、Yさんが眠るまで家にいます。そして翌朝になるといなくなっているのが恒例でした。
母親はYさんに「パパには内緒よ」と念押ししていましたが、1度だけYさんは父親に秘密を漏らしてしまったことがあったそうです。でも父親は幼い娘の空想とでも思ったのか、「そうか、よかったな~(笑)」と流すのみでした。
次第に膨らむ疑念
しかし数年たち、Yさんも成長するにつれてだんだん不信感を抱くようになります。小学校高学年にもなるとサンタクロースの存在を信じない子も増えてきますよね。Yさんも例外ではなく、「毎年来る、あのサンタクロースは一体だれ……?」と思い始めたのです。
そして12歳のクリスマスの夜、Yさんはサンタクロースの存在を突き止めることに決めました。寝たふりをして、深夜に母親とサンタクロースがいるリビングを覗きに行ったのです。
母の衝撃的な裏切り
そこでYさんは衝撃の光景を目にします。
白いひげや帽子を取り、くだけた格好になったサンタクロースが、なんと自分の母親とソファーで抱き合っているではありませんか……!
女の顔をした母親の姿と、サンタクロースの本性に、思春期のYさんは強烈なショックを受けました。
そして、ずっとサンタクロースだと思って慕っていたのが実は母の長年の不倫相手だったこと、自分はずっと不倫の片棒を担がされていたことを理解したのです……。
まとめ
その後、Yさんは母親とまともに顔を合わせることができなくなりました。口もろくにきかず、母娘の距離は離れていくばかり。
母親も何かを察したのか、数年後に父親とYさんを置いて出て行ってしまったそうです。
紆余曲折あり、今は幸せな生活を送るYさんですが、クリスマスにはそんな苦い思い出が蘇ってきて苦しくなってしまうとのこと……。
娘を騙しただけではなく、大きなトラウマを残した母親の罪は大きいですよね。
ftnコラムニスト:藍沢ゆきの