今まで出会った中で最強の女
今回の主役は女上司のF美(以後F美)です。
当時F美は40代後半でしたが見た目が若く、美容にはものすごくお金をかけていました。気が強いのが全身からにじみ出ていて、バブリーという言葉がしっくりくる風貌でした。
心理学を学んでいたらしく、相手を丸め込む話術や他の社員から文句を言わせない独特の空気感がありました。その話術で昇りつめ、社長からは絶大な信頼を得ていました。
自分以外が注目されるなんて許さない!
入社して数か月経った頃、事業拡大のため新卒採用をすることになりました。
当時20代の女性社員が私しかおらず、新卒採用の広告写真に協力してほしいと声がかかりました。私はF美の了承を得て、15分程度の簡単な撮影を終わらせ受付に戻りました。受付に戻ると明らかに機嫌の悪そうなF美・・・
F美に「ありがとうございました」と声をかけましたが、無視。どうやら撮影に参加出来なかったことが気に食わず、相当ご立腹だったようです。
その後5日間無視をされるという地獄の日々を過ごしました。
勝手にセクハラ事件
ある日、男性社員から「今まで名前で呼んでいてごめんね。」と突然謝罪されました。全く身に覚えのない話に私の頭の中はハテナだらけ。
「え?」としか答えることが出来ず、私は受付に戻りF美にそのことを相談しました。
すると・・・
「あなたみんなから○○ちゃんって呼ばれてるでしょ?それが気に食わないのよ!!私は名字で呼ばれてるのに。これってセクハラよね!?だからあなたがすごく嫌がっていてセクハラだと騒いでいるから名前で呼ばないで欲しいって社長に伝えといたから」と事後報告を受けました。
当時の私には大変ショッキングな出来事でした。男性社員からは距離を置かれ、腫れ物を触るような扱いを受けている気がして、とても仕事がやりづらかったです。
きっとそれがF美の狙いだったのでしょう。今では笑い話として話せるようになり、これを世にも恐ろしい「勝手にセクハラ事件」と呼んでいます。
今だから思うこと
その後F美は、男性社員と大喧嘩。さすがのF美も居心地が悪くなり退職したと聞きました。
当時は受け入れられず苦しめられたF美の言動ですが、時が経つと良い経験だったなと思えるようになりました。精神面はかなり鍛えられたので感謝していますし、人の心を揺さぶる話術は一種の才能だと思います。
まだまだF美の嫉妬エピソードがあるので、またいつかご紹介したいと思います。
ftnコラムニスト:うる