最初は競馬場の雰囲気を楽しむだけだった
競馬場といえば、おじさんたちが赤鉛筆を耳に挟んで怒号響くギャンブルの地、と言うイメージでした、それが私が学生の頃、競馬場がデートスポットやお出かけスポットとしてイメージチェンジを図ろうとしたCMがたくさん出ていました。ちょうどトレンドに敏感だった大学生の私は、友達数名と面白半分で競馬場に足を運んだら、馬券を買わなくても楽しめるスポットになっていて、とっても楽しく過ごせて、いろんな友達を連れて遊びに行くようになりました!
彼が万馬券を当ててしまった!
そして、当時付き合っていた彼Oくんと競馬場デートをすることに!真面目なOくんは競馬場に来ること自体に少し嫌悪感があったようで、なかなか一緒にはきてくれませんでしたが、なんとか連れて行ったらすごく楽しんでくれたのです!その後も、何回か競馬場デートをしていました。
そしてあるデートの時に、有名なレースがあるとかで試しに馬券を買ってみよう♪となり、テキトーに馬券を購入したところ、Oくんがまさかの万馬券を当ててしまったのです!
「今日のデートも競馬場にしない?」が、沼の始まりだった
馬券が当たるなんて夢にも思わなかった私たちは、キャーキャー叫びながら換金して、そのお金で美味しい夕飯を食べに行き、こんなこともあるんだなぁ~と思って満足して帰宅しました。その数日後、Oくんから「ねぇ、競馬場デートしない?」とお誘いが!あんなに毛嫌いしていたのに楽しんでくれたんだ~♪と呑気に思っていた私ですが、本当はOくんは馬券を買いたくて競馬場デートに誘ってくれたのだと知ったのは、そこから数ヶ月先のことでした。
とうとう私の財布から・・・!
そしてOくんとのデートは競馬場ですることが常になっていきました。私はたまにはショッピングをしたりカフェとかテーマパークに行きたいと言うと、「なんでだよ!最初に連れてきたのそっちだろう!」と怒り気味に言ってくるのです。Oくんの雰囲気も少し変わっていって、不思議に思っていた時に、とうとう事件が起こりました。
デート中に私が鞄を席に置いてトイレに行った時のことです。「あ、鞄にハンカチ入れっぱなしにしちゃった」と思って、トイレの手前でUターンして戻ると、私の鞄を漁っているOくん!
え?!と物陰から見ていると、私の財布から1万円札を取ろうとしているところを見てしまったのです!
「ねぇ!」と話しかけると、ビクッとしながらこちらを向いて、突然謝り出すOくん。そこでやっと真実を話してくれました。なんと、あの初めて万馬券を当てた日から競馬の魅力に取り憑かれてしまい、競馬場デートをする日は、トイレに行くと見せかけて馬券を買いに行っていたのです。そしてデート以外でも競馬場に足を運び馬券を買うように・・・。最近は当たらない日が多かったせいで、お金が底をつき、私のお財布に手を出してしまったとのことでした。
まさか私がギャンブラーを作り出してしまったとは・・・申し訳ない気持ちでいっぱいになりつつも、お別れさせていただきました。
ftnコラムニスト:南さおり