地方銀行を辞めて、単身東京へ
友人のAちゃんは、大学卒業後に地元の銀行に就職しました。
当時は就職氷河期だったので、周りの友人たちも羨ましがるような就職先でした。
しかし彼女はたった3ヶ月で銀行をやめて、単身都内に引っ越していったのです。
若いうちにいろんな経験をしたい!と憧れの東京にいったAちゃん。
生活費を稼ぐため、昼は病院の受付・夜はキャバクラで一日中働きます。
キャバクラは、入店から半年で人気No.2になりました。
彼女の売り上げに貢献してくれたのは、経営者の男性Bさんです。
東京で頼れる人がいないAちゃんにとって、Bさんは唯一信頼できる人だったそう。
Aちゃんは自然にBさんに惹かれて、不倫関係になったのです。
勤めている病院に奥様がやってきて‥
Bさんと関係をもって2ヶ月ほどたった頃、Aちゃんが勤めている病院に思いもかけない人が来院します。
それは、Bさんの奥様。
じつはBさん、苗字がとても珍しい方でした。
来院した女性の苗字と年齢から推測して、Bさんの奥さんだと確信したそうです。
Bさんから夫婦関係は何年も前に破綻していると伝えられていました。
しかし、病院にやってくる奥様はいつも楽しそうです。
「先週は主人といっしょに伊豆に旅行にいったの」
「これは主人が記念日にプレゼントしてくれたの」
と、夫婦仲が破綻しているとは思えないエピソードばかりです。
Bさんからは「妻と別れて将来は君といっしょになりたい」と言われていただけにショックは大きかったようです。
ストーカー行為がバレて全てを失う
Bさんへの気持ちを抑えられないAちゃんは、奥様の保険証に記載されているマンションで張り込みをするようになりました。
すると、奥様と腕を組んででてくるBさんに鉢合わせしてしまったのです。
Bさんと奥様にも、ストーカー行為がバレてしまったAちゃん。
お店にもお客さんと関係をもったことが伝わり、No.1一歩手前でクビになりました。
もちろん、奥様づてでAちゃんの行為は勤めていた病院にも伝えられたそう。
自らの欲望を満たすために患者の個人情報を利用した罪は重く、病院もクビになりました。
東京から逃げて地元でひっそり暮らす生活へ
仕事もBさんも失ったAちゃんは、逃げるように地元に帰ってきます。
現在彼女は、地元でアルバイト生活をしています。
誰もが憧れる街に翻弄された彼女。
わたしも友人の一人として、彼女がこれから自分を見つめ直し、どのような人生を歩むのか楽しみです。
ftnコラムニスト:広田あや子