最初は一口味見の「ちょうだい！」が始まりだった
ママ友Dさんとは、小学校で知り合った同じ市内に住むママの1人です。小学校最初の保護者会で、人見知りだった私に気さくに声をかけてくれたのをキッカケに仲良くなりました。子供らが学校に行っている間に、専業主婦同士の私たちは時々ランチに一緒に行くことも。Dさんはランチの時に「私、優柔不断でいつも決められなくて～。あなたが選んだランチもすっごく美味しそうだし、こっちも気になるのよね～！！」となることが多いので、「よかったら私のランチ、一口食べる？」と言わざるを得ないのが少しネックだなぁ～と思っていました。そうでなくても、デザートを頼むと「ねぇねぇ、一口味見させてくれない？」と、『一口ちょうだい』が頻繁にあるのです。最初は気にしていなかったものの、あまりにも頻繁になっていったので疑問に思い始めていた時でした。
我が家に遊びに来た時には洗面台を物色！「これちょうだい！」
そしてお互いの家に遊びに行くようにもなり、私の家に来た時に、とうとう事件は起こりました。
Dさんが我が家に来たとき「先に手洗いさせてもらうね〜♪」と洗面化粧台を案内したところ、いつまで経ってもリビングに戻ってこないのです。気になって様子を見に行くと、洗面台の鏡面収納を勝手に開けていたのです！え？！とビックリしていると私に気づいたDさんは慌てる様子もなく、「ねぇ！この化粧水、ずっと気になってたやつなの！後で試しに使わせてもらえない？」と聞いてきました。色々とビックリしたけれど、まぁいろんな人がいるし、、、と思い、「良いよ〜♪でも収納は開けないで〜！汚くしてるし恥ずかしいから〜！」と場をなごますように明るく振舞いました。
あれはどんな意図でやっているんだろう・・・？と疑問に思っていたら、今度は「洗面下に開封してないスキンケアがあったけど、使わないならちょうだいよ〜♪」と突然言ってきたのです！洗面下もすでに開けている！なんで勝手に開けちゃうのー！
届いたばかりの新品の洋服を見て「これちょうだい！」
お茶をしていると、宅急便が届くチャイムが鳴りました。荷物を取りに行って戻ると「何が届いたの～？」とすかさず聞いてくれるDさん。「この間オンラインで買ったワンピースだったよ～」と言うと「え！どんなやつ？！見たい見たい！開けようよ～！」と玄関に向かおうとするDさん。え、もしかして勝手に開ける気！？と危険を感じたので「じゃ、じゃあリビングに持ってくるね～！」と言い、荷物をリビングに持ってきました。開封すると、まさに頼んでいたレースの素敵なワンピース。ただ、襟の部分にシミがついているのを発見。「あ～これは返品交換かなぁ～」と呟くと、Dさんがすかさず「え～返品しちゃうの～もったいないよ～！なら私にちょうだいよ～♪」と言ってきたのです！いやいや、交換するんだってば！なんであげなきゃいけないの！と、心の中で叫びながらも、怒りよりも呆れが優ってきてしまいました。
しまいには夫のことも「ちょうだい」！？
この日は夫が午後休を取っていたので、Dさんがいる間に夫は帰宅してきました。その夫を見ると「きゃー！めちゃくちゃイケメンな旦那さんね～♪うちとは大違い！良いなぁ～欲しいなぁ～・・・」とぽろっと言っているではありませんか！
勘弁してよ！夫にも聞こえていて、苦笑いのような愛想笑いのような笑顔を浮かべながら、2階へと夫は上がっていきました。
この日を境に、クレクレママことDさんとは会うことを控えました。最初は冗談なのかそういう癖なのか、何とか付き合いきれていたけれど、流石にもう頭にきてしまいました。夫にも「なかなかクセのあるママ友だね・・・」と言われ、私が恥ずかしい気持ちに。ママ友選びって本当に難しいなと身を以て実感しました。
ftnコラムニスト：南さおり