服屋にやたら話しかけてくる男性客が!
アパレルで接客の仕事をしていた友人。多くの男性はこれと決めた商品を探している場合でない限り、会話を楽しむような接客を好みません。
だから、その男は最初から違和感があったそうです。洋服好きには見えない地味な風貌なのに毎日店に来て、友人がいるかを尋ねてくる。
仕事ですから、怪訝な態度をとれません。最初は世間話をふってくる男に最低限答えていましたが、明らかに異性として物色されています。
同僚に助けてもらい男性客をかわすのが出勤日のルーティーンでした。
ある日男が来なかったのでひと安心した
その日は、例の男が店に来ませんでした。そっけない態度をとったことが功を奏したのだろうと、友人もほっとひと安心。
普通に働けるだけでこんなに快適なのかと明るい気持ちで帰宅。その時、特に気になるところはありませんでした。
ドアの鍵も閉まっていたし、部屋の電気がついていたなんて事もありません。部屋が荒らされていたという事もなく、物の位置もいつも通りです。
本当にあの瞬間まで私はとても平和だったのです。夕食を済ませ、食器も洗い、お風呂の準備のためにパジャマを取りに部屋のクローゼットを開けるまでは。
クローゼットの中にナイフを持った男が!
クローゼットを開けるとあの男がいました。震えながらナイフをこちらに向けているのです。なぜ僕に冷たくするのかとボソボソ呟いています。
友人は感情を刺激したら殺されると思い、叫ぶ事もできなかったと言います。
子供に諭すように「人の家に勝手に入ってはいけない、人に刃物を向けてはいけない、私は店員であなたは店の客だから、会うのはお店の中だけです」という話をしながら、玄関から出てもらったそうです。
男の逆上が怖く、警察に届出はできませんでした。翌日、事情を説明し退職。しばらく実家で過ごし、引っ越しをしたそうです。
結婚し、2児の母となった今も、友人は知らない男性が近づいてくると体が強張ると言います。家の中に人がいても、遭遇の瞬間まで気づけないものなんですね。
あなたの部屋には、本当に誰もいませんか?
ftnコラムニスト:ユウキミサト