新人いじめが横行している最悪のホテルだった
友人女性は、ホテルにて接客係として勤務していました。ホテルというと一見、華やかなイメージを抱きがちですが、実際はドロドロした環境だったそうです。
彼女自身、コックや先輩たちから新人イビリを受けていたといいます。新人なりに精一杯頑張っていても「ノロマ!」「アンタを見ているとイライラする!」など罵詈雑言の嵐だったそうです。
しかし頑張り屋の彼女は、なんとか辛い境遇にもめげずにいました。
同期社員が職場ホテルにて披露宴を行うことに
ある日、職場の社員同士で入籍したとのニュースがありました。新婚女性は彼女の同期社員であり、彼女にとっても身近な存在でした。
なんでも新婚カップルは、結婚式の披露宴をこのホテルで行うといいます。その日のシフトは、ほとんどの接客係が披露宴会場を担当し、友人女性だけがホテル内のレストランという割り振りでした。
披露宴を見たいという気持ちは少しあったものの、これも仕事だから仕方ないと割り切る彼女でしたが、後日、彼女はとんでもない目に合うこととなります。
せっかくの記念撮影で自分だけ除け者扱いされる
披露宴当日。彼女は頑張って、1人でレストラン業務を回していました。するとそこへ、披露宴担当のコックがレストラン担当のコックさんを呼びに来ました。
「仕事の話かな?」と思って送り出す彼女でしたが、実際は披露宴の記念撮影の誘いでした。そう、彼女1人を除いた職場仲間全員で、新郎新婦を囲んで記念写真を撮っていたのです!
先輩社員たちはその写真を見てクスクス笑い「1人だけうつっていないとかマジ受ける!」とワザと聞こえる大声で言ってきたそうです。
この仕打ちは、さすがに堪えました。今までの我慢もこれをキッカケに、制御できなくなり、彼女は退職を決意したのでした。
今もどんどん人が辞めていく最低な環境のまま
こうして彼女が退職届を出すと、周囲から猛バッシングされたといいます。「会社に貢献しないで、突然辞めるなんて自分勝手だ!」と言われたそうです。
ですが、会社もまた彼女を大切にせずに、パワハラに関しても見て見ぬふりを決め込んでいました。
こうなった要因もまた、会社側にあると言えます。
今でも、ホテルには新人イビリの習慣が残っていて、新人がどんどん辞めていってしまうそうです。社員に愛社精神を持ってもらうには、まず社員を大切にすることが先決でしょう。
ftnコラムニスト:六条京子