子どもに悲しい思いをさせないため
仮面夫婦が離婚しないでいる理由で最も多いのは、子どものためというもの。
夫婦間の愛情はなくなってしまっても、子どもへの愛情はお互い変わらずに持っている夫婦の場合、子どもに悲しい思いや不自由をさせないために良き両親を演じ続けるということになります。
ただし、その演技はあくまでも子どもが手を離れるまでのもの。子どものために仮面夫婦でいる人たちは、子どもが独立した途端に熟年離婚をすることも多いです。
実家・義実家から圧力があるため
実家や義実家が離婚しないように圧力をかけてくるという場合もあります。筆者の知人には「『離婚しようかな…』と親に言ったら『そんなことご近所や親戚に言えるわけない!』と怒られた」という人もいました。
また、「離婚したなんて親が知ったら悲しむだろうな」「高齢の親を心配させたくない」というふうに、親を思ってあえて離婚しないということもあるようです。
周囲に知られたくないため
結婚は家同士の繋がりだけではなく、時には友人や知人も巻き込んだものになります。
派手に結婚式を挙げた人の場合、「友達に余興やスピーチをやってもらったのに離婚なんて申し訳なくて言えない」ということもあります。
また、「既婚=ステータス」と考えている人は「結婚に失敗したと思われたくない」「プライドが許さない」というふうに見栄を張り、離婚してそれを周囲に知られるくらいならたとえ仮面夫婦でも結婚したままでいようと考えることも……。
メリットのほうが多いため
仮面夫婦が形だけでも夫婦であり続けるのは、感情を削ぎ落としてシビアにメリットとデメリットを比べた結果、共有財産や社会的な立場のことを考えると離婚するよりも夫婦でいたほうがメリットのほうが多かったからという結論になることもあるようです。
こういう夫婦はいい意味でお互いに割り切っているので、意外と2人とも楽しそうに人生を送っていることが多いです。
それぞれ没頭できる仕事や趣味があったり、時には恋人がいたりと、夫婦間の愛情が終わってしまっている分、ほかに愛情を注ぐ余裕ができて案外充実していたりするんですよね。
仮面夫婦にも色々な形があり、離婚しない理由もさまざまです。しがらみがあって離婚できない夫婦もいれば、あえて仮面夫婦を選択して自由に生きる夫婦もいるようですね。
ftnコラムニスト:藍沢ゆきの