25歳、遠距離恋愛1年の末に
社会人3年目、25歳の頃のこと。
当時付き合っていた彼氏が地元から東京へ転勤となってしまい、1年間遠距離恋愛をしていました。
その頃、私も仕事に変化がほしかったところで、東京で働いてみたい気持ちもあり、彼の後を追うような形で上京することに。
今思えば、どうしてこんなに自信がなかったのか不思議なのですが、「この彼氏と別れると次は誰もいないのではないか」と内心とても焦っていました。
互いの両親への紹介
彼氏は遠距離恋愛中、地元に帰ってくると、彼の両親との食事に私を誘ってくれました。
彼の両親はどうやら私を気に入ってくれたらしく、私自身もすっかり打ち解けた気がしていました。そうして私も東京に行くと決め、私の両親にも彼を会わせることにしました。
不穏な空気
予約した和食居酒屋で両親と彼は初めて顔を合わせました。父はすっかり喜んで酔っぱらい、終始笑顔でしたが、母は辛辣な表情を浮かべ、厳しい目つき。
帰宅後、母からは案の定、
「あの彼で大丈夫なの? 私はどうも信用できないわ」と言われてしまいました。母は私のことを心配すぎるのと、もっといい人がいるのではという「親の欲目」もあって、どんな人を連れてきてもそう言って引き止めるような気がしました。私は大丈夫だよと言って、必死に彼の良いところを母に伝えました。
一方、彼からも「お前のお母さん、なんか俺苦手だわ。品定めするような目で見てたよね」と言われてしまいます。
そして、「お父さんはなんかちょろいけど」と言った彼にかすかな違和感を感じたのに、私は見ないふりをしてしまいました。
最後まで母は、「違うと思ったら後戻りしていいのよ」と言っていましたが、引っ込みのつかなくなった私は上京し、結婚を前提に彼と一緒に暮らし始めました。
しかし、わずか半年で破局。
彼は私の手料理をけなしたり、私の好意を迷惑そうにしたりとモラハラ気質で、喜びは半分に、悲しみは2倍になるような日々でした。
親の直感はあなどれない
一度きりの自分の人生、親の言いなりになる必要はないですが、親の直感はあなどれない、ということを今になって痛感しています。
お母さん、あのときは信じられなくてごめんなさい。
そして、自分の直感ももっと大事にしなきゃダメですね。あのときの自分にも謝りたいです。
【体験者:40代・フリーランス、回答時期:2025年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:長橋知子
38歳で未経験からWEB広告制作の在宅ワークに挑戦し、セールスライター・WEBライターとして活動をスタート。読者に寄り添うライティングを大切にしている。特に、人間関係や育児、地域活動、女性の生き方に関するテーマが得意。また、noteで赤裸々エッセイを発信し、Kindle書籍も出版。「どんな自分でも生きていける」社会の実現を目指して奮闘中。