「完熟」や「熟考」、「熟睡」など、「熟」は日ごろからよく使用する、なじみ深い漢字です。普段は「ジュク」と音読みすることが多い「熟」という漢字、訓読みでは何と読むかご存じですか?今回ご紹介するのは、「熟れる(うれる)」以外の読み方です。最後のミニクイズにも挑戦してみてくださいね!
正解は?
正解は、「こなれる」「なれる」でした。
『大辞泉』によると、「こなれる」には、①食べ物が消化されること、②かどがとれること、③熟練して思いのままに運用できるようになること、④調和がとれた状態になること、⑤落ち着いた状態になること、といった意味があるのだそうです。俗語に「小慣れる(こなれる)」という言葉もあり、『大辞泉』では「少し(感じよく)慣れる」と解説されています。近年ファッション用語としてよく耳にする「こなれ感」や「こなれる」は、「熟れる」の③の意味か、俗語の「小慣れる」に由来するのではないかと思います。
また、「なれる」は食べ物がほどよく発酵することや、腐ってしまうことをあらわします。「なれずし」(漢字表記は馴鮨・熟鮨など)という食べ物がありますよね。
「熟」の読み方いろいろ!ミニクイズ
「熟」の訓読みのミニクイズです。いくつ読めますか?
①「熟む」
②「熟す」
③「熟」(2通りの読み方があります)
④「熟える」
⑤「熟る」
正解は、①うむ、②こなす、③つくづく、つらつら、④にえる、⑤にる、です!みなさんはいくつ読めましたか?ひとつの漢字にこれだけの読み方があるなんて、興味深いですね。
writer:umeko0512