6月頃になると、日本の暖かい地域では「梔子」が白い花を咲かせます。「梔子」は花の美しさだけでなく、甘い香りも魅力のひとつです。ガーデニアとも呼ばれる「梔子」、何と読むかご存じですか?
正解は?
正解は、「クチナシ」でした。「梔」の1文字でも、訓読みで「くちなし」と読みます。「梔」は漢字検定1級の配当漢字であり、「梔子」以外での使用例もないため、日常生活ではあまり見かけることがないかもしれません。ほかに、クチナシの漢字表記には「山梔子」や「支子」などがあります。
どうしてクチナシと呼ばれるの?
クチナシの語源には諸説あります。
①多くの果実は成熟すると実が裂けるのですが、クチナシは成熟しても実が裂けず、口が無いように見えるため「口無し」
②果実にくちばしに似た突起がついているため、「くちばし」+「梨」でクチナシ
どちらにしても、「クチナシ」は果実の特徴をあらわした名前です。クチナシの実は赤に近い黄色をしており、古くから染料や漢方薬として利用されているのだとか。「梔子色(くちなしいろ)」という場合、花のもつ白色ではなく、果実由来の赤みを帯びた黄色を指します。
果実に注目が集まりやすいクチナシですが、花の部分は独特の甘みとジャスミンに似た香りを持ち、香料だけでなく食材としても活躍します。クチナシは美しいだけでなく、花も果実も有効に活用することができる植物なのです。
漢字:梔子
読み:クチナシ
日本での分布:静岡より西側の暖かい地域
日本での見ごろ:6月・7月
花言葉:幸せ、清潔、優雅 など
Writer : umeko0512