守銭奴扱いされて……
最初は筆者の会社の先輩から聞いた話です。
先輩は結婚後、夫の実家の近くに住んで2人の子どもを育てています。孫に会いたいのか姑が時々訪れるのですが、先輩は快く迎え入れていました。ある日、いつものように姑がやってきてたのですが、姑は突然先輩に現金を渡してこう言ったそうです。
「このあいだ息子がうちに来た時、靴がボロボロなのが気になって……。詳しく聞くと、家計の管理は嫁がしてるから靴や服なんてなかなか買ってもらえないと言うからビックリしてしまって。これで新しい靴を買ってやってちょうだいね?」
たしかに家計の管理はすべて先輩がしていました。でも、それは貯金が苦手な夫がすぐに浪費してしまうからです。もちろん必要な物があればその都度お金を渡していますが、問題の靴は夫自身が「履きやすいからまだこれでいいよ」と言ったそう。先輩はその通りに姑に説明しましたが、姑は納得しきらない様子で帰宅しました。
その日の夜、帰ってきた夫に事の顛末を話すと、夫は「あ~あれね!古い靴はいてたら母さんがうるさいからさぁ、ついつい言い訳しちゃったんだ」と笑っているではありませんか。先輩はブチキレて、「自分で説明してこのお金返してきて!」と怒ったそうです。
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実の息子とはいえ、結婚したらもう別の世帯。家計のことに口を出すのはタブーです。どうしてもお金を出してあげたいなら、わざわざ嫁に嫌味を言わず息子に直接渡せばいいだけのことなのに、余計なことをして反感を買う姑って多いですよねぇ……。
誰の結婚式?!
次は筆者の同級生の話です。
かねてからお付き合いしていた男性と結婚することになったミカ(仮名)。もともと結婚式への憧れが強く、ドレスや式場選びにワクワクしていました。
しかし、ある日姑から予想外のストップが!ミカはドレスを着てチャペルで式をしたかったのですが、姑が「白無垢で神前式にしてほしい」と言い出したのです。姑は高齢だからか、露出の激しいドレスを着て人前でキスをされることに強い抵抗があったそう。
当然、白無垢なんて嫌なミカは夫に助け舟を求めますが、夫は「でも母さんにとっても大切な式だろうから、希望を聞いてやりたい気もするんだよな…」などと言い出したのです。
たしかに親の意向を少しは取り入れるのもいいかもしれませんが、あくまでも結婚式は新郎新婦のためのものですよね。そこを履き違えている夫に怒りが爆発して、ミカは思わず「それは私の希望を捨ててまで優先しなきゃいけない希望なの?!」と怒鳴ってしまったそう。
夫はそれでハッとして、その後はうまく姑を説得してくれたらしいですが、一歩間違えれば婚約破棄になりそうな出来事でした……。
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結婚式の準備は嫁姑問題の第一歩。お互いに「こんな人だとは思わなかった!」という思いが生まれてしまい、場合によっては結婚式後も引きずることになります。
ばぁばの写真
最後は筆者の同僚の話です。
昨年無事に第一子を出産したカナ(仮名)。コロナ禍だったこともあり、入院中の面会は夫だけしかできませんでしたが、苦手な姑が来ないことに内心ホッとしてもいました。
しかし、予想もしない形で姑が訪れることになります。出産した翌日、着替えなどを持ってきてくれた夫がおもむろに姑の写真を取り出したのです。「何それ?!」とカナが聞くと、「孫に顔を覚えてもらいたいから枕元に飾っておいてほしいんだって」と言う夫……。
命をかけて出産して、やっとゆっくり休めているのに、病室に姑の写真なんて飾りたいわけがありませんよね。産後で情緒不安定だったこともあり、カナは泣きながら夫に抗議したそうですが、夫は「そこまで怒ることないのに」と不思議そうにしていたそうです。産後間もない妻に対してデリカシーがないことをしているのか、男性には分からないのでしょうか……。
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産後すぐ病室に押しかける姑も迷惑ですが、自分の写真を届けさせる姑もかなりの恐怖……!私なら怒りのあまり写真をお焚き上げしちゃいそうです。
まとめ
夫さえしっかりしてくれたら嫁姑問題も大きなトラブルにはならないはずなんですが、対応を間違えて余計に炎上させてしまう夫の多いこと多いこと。
婚姻届を提出した時に自治体から嫁姑問題ガイドブックとかを配布してくれないかなぁ…なんて思ってしまうのは私だけでしょうか。
ftnコラムニスト:藍沢ゆきの