あらすじ
あってはならない感情なんて、この世にない。
それはつまり、いてはいけない人間なんてこの世にいないということだ。
息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。
しかしその繋がりは、"多様性を尊重する時代にとって、ひどく不都合なものだったーー。
「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」
これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?
作家生活10周年記念作品・黒板。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書き下ろし長篇。
※amazon.co.jp「正欲」購入ページより引用
こんな人に読んでほしい
この『正欲』を読み終えた僕が、是非ともこの小説を手に取ってほしい人の特徴をまとめてみました。
・20歳以上の男性、女性
・人間関係に悩んでいる人
・価値観の違いを知りたい人
・今までにない小説を読みたい人
に強くおすすめしたい小説です。
これに当てはまっている方はぜひ手に取ってみてください!
朝井リョウという人物
小説を読むにあたって著者がどんな人かも気になりますよね。
この『正欲』を書いた朝井リョウさんについてまとめてみました。
・岐阜県生まれの現在32歳男性作家さん
・早稲田大学文化構想部を卒業
・社会や人間の陰や裏側を描くのが上手
・『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー
・『何者』で戦後最年少の直木賞受賞を果たす
これ以外にも、挙げればきりがないくらい素晴らしい経歴をお持ちの朝井リョウさん。
個人的にはやはり、佐藤健さんや有村架純さんなどの超豪華キャストでの実写映画化された『何者』が印象的な作家さんです。
感想&レビュー(ネタバレなし)
朝井リョウさんの作家生活10周年記念作品。
表紙の美しさと造語とも取れるインパクト抜群のタイトルに惹かれて購入しました。
物語の舞台は、多様性が尊重される現代社会。
しかし、多様性の幅は人によって様々で、時には衝突すらも起こりうる。
そんな多様性を主張するも、心の奥底では自分の価値観を捨て切れない3人の男女が主人公です。
差別なき社会やLGBTQの偏見が強く主張される今だからこそこの作品は強く刺さります。
本当の多様性とはいったい何なのか、多様性を主張する人間は本当に正しいのか。
人間は常に欲望に左右されて生きている。
正しい欲望とは何なのか。
朝井リョウさんによる現代社会の本質を突いた衝撃作品をぜひ手に取ってみてください。
この物語に共感するか、しないかは人それぞれ。
これもまた多様性なのかもしれません。
といったところで今回は締めとさせて頂きます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
気になった方はぜひ読んでみてください!