メインデザインは、和紙のハイブリッドスタイル「和蘭紙」
今回のコレクションで登場したのは、バッグ「Peekaboo（ピーカブー）」と「Baguette Soft Trunk（バゲット ソフト トランク）」、スニーカー「FENDI Flow（フェンディ フロー）」にフォーカスしたモデル。それぞれメゾンの顔とも言える3つのアイテムを、隈研吾氏が新たな息吹を加え、新デザインにしています。コットンと樹皮繊維から作られる「和蘭紙」を、各アイテムのデザインに採用。和蘭紙とは、折り紙や提灯、着物のディテールに用いられるドライでソフトな質感のファブリックです。この素材を使って、フェンディのアイコンを革新的なアイテムへと昇華させました。奥ゆかしくも大胆にも感じ取れるデザインは、フェンディと隈研吾氏の感性が生み出したケミストリー。センスが光ります。
「Peekaboo（ピーカブー）」のデザインは、トスカーナのオリーブの木を彫り出した内側フレーム、そしてフェンディのアイコニックなストライプ「Pequin（ペカン）」に敬意を表し、淡いシラカバ樹皮のテクスチャーが施されています。
また、細い竹をイレギュラーに編み上げる「やたら編み」を想起させる手法で強固な格子を成形。そんな日本の伝統技術を「Peekaboo（ピーカブー）」の内側のフレームに用い、「FENDI Flow（フェンディ フロー）」では3Dプリントによるソールのインスピレーションソースとなっています。「FENDI Flow（フェンディ フロー）」には、アッパーがシューレースまたはファスナーがあしらわれ、インソールがコルク、未染色のバイオベースEVAを用いた「FF」ロゴソールに再解釈されています。
「隈研吾氏との私たちのパートナーシップは、フェンディと建築との対話だけでなく、他のデザイナーとの会話、そしてその職人と素材の選択を生み出しました。規模を拡大したクリエイティビティは、決してひとりの作品ではあり得ません。フェンディのアーティスティックなプロジェクトがイタリア国外でも成長を続けることは重要なことです。それは手と心、そして世界中のさまざまな才能とリソースの協力の賜物なのです」 ── シルヴィア・フェンディ
「自然とクラフトは、建築家そしてデザイナーとして私が生み出す作品の中心であり続けています。フェンディからフェンディのバッグやシューズについて考えてほしいと依頼があったとき、それらがヒューマンスケールにおける小さなアーキテクチュラルプロジェクトであると考えました。シルヴィア・フェンディが手がけるメンズデザインのシグネチャーを、自然と軽やかさ、革新的なデザインに対する私たちの共通の情熱を表現しながら、伝統的な日本の技法と素材で変化させました」 ── 隈研吾
隈研吾氏らしい伝統的手法と自然素材を用い、和モダンでリュクスなバッグとスニーカーが誕生！ ファッション史に残るであろうこのスペシャルなアイテムをぜひチェックしてくださいね。
Writer：猪狩久子