人気急上昇の“スポーティー”を女性らしく。いま注目の北欧ブランド【バウム ウンド ヘルガーテン】

ナンバリングTシャツを大人っぽく格上げ

背中や胸に大きく番号をプリントした「ナンバリングTシャツ」はスポーツアイテムの代名詞的なウエアです。一目でアスレティックな雰囲気が伝わる半面、ストリート色も濃いから、大人っぽくアレンジするのが賢明。スタイリングの決め手はボトムス選びです。

ナンバリングを施した長袖Tシャツに、チェック柄のタイトスカートを引き合わせました。正面に深いスリットを切れ込ませたスカートが大人感をアップ。グッドバランスの上下ミックスに仕上がりました。さらに、キャップでスポーティー気分を高めています。一方、バッグとシューズはオフィス風で、入り組んだテイストミックスに整えています。

ポロシャツをチャーミングに着こなす

馬に乗ってプレーする球技「ポロ」にちなむだけに、ポロシャツはスポーティーなウエアの典型例です。カジュアルでボーイッシュに見えやすいから、エレガンスや落ち着きを補うようなコーディネートがおすすめ。初々しさやキュートネスを足し込む感じのスタイリングです。

ボーダー柄のポロシャツがはつらつとしたイメージを呼び込みました。ベージュの箱ひだプリーツスカートで合わせて、フェミニン感を添えています。白ソックスとローファーで、スクールガール風の足元に整えました。

トラックジャケットをフェミニン使い

ジップアップのトラックジャケットは、同じ素材のトラックパンツとそろえた、いわゆる「ジャージー」姿で有名です。でも、上下をばらして使えば、別のムードをまとえます。たとえば、トラックジャケットにドレッシーなスカートをマッチング。「ヘルシー×セクシー」なミックスコーディネートに仕上がります。

両袖をひじまでまるくり上げたトラックジャケットは凜々しい着映え。レースのスカートで合わせて、ぐっと女っぽいムードに。サイドに切れ込ませた深いスリットが健やかでセンシュアル（官能的）。「脱・ジャージー」の大人ルックにまとまっています。

スウェットトップスをエレガント見せ

スウェットシャツには分厚いコットンで仕立てたデイリーウエアのイメージがあります。普段着感を遠ざけるには、一般的なつやなしマット素材を避けて、光沢を帯びた上質生地を選んで。妖艶系のボトムスとのコンビネーションもありきたりの見え具合を避ける上で効果的です。

スウェットシャツっぽく見えていないのは、ほのかなつやめきを帯びているから。トップスレイヤードを組んだのも普段着感が薄い理由です。総レースのたおやかなスカートをパートナーに迎えて、エレガントに着こなしました。カラートーンが近いので、全体のまとまりがよくなっています。

スニーカーで「抜け感」引き出す

スポーティー感を宿したシューズといえば、スニーカーで決まり。普段から履き慣れているだけに、おしゃれ感が薄く見えがちです。でも、クールな着こなしや、華やかなアイテムと交わらせれば、かえって足元で抜け感を印象付けやすくなります。

モノトーンのジャケットはアクティブでありつつ、上品な風情。一方、ボトムスはつやめいたパテント素材のタイトスカートをチョイス。ほのかなリッチ感を帯びています。白のスニーカーはクリーンでアスレティックな雰囲気。グラマラスなウエアとのずれ感を醸し出しました。

北欧流のセンスに、ユーモアの効いた遊び心　

「バウム ウンド ヘルガーテン」は1999年に2人のデザイナーが立ち上げました。ブランド名は2人の姓にちなんでいます。ユーモアや遊び心を宿したデザインが持ち味です。印象的なプリントモチーフにも強みを持っています。2025年春夏コレクションはスポーツとオフィスのクロスオーバーを試しました。

スポーツウエアは動きやすいのに加え、速乾性に優れているから、蒸し暑い夏でも快適に過ごせます。ムードの異なるウエアや靴との組み合わせで、着ていけるシーンが広がるので、手持ちアイテムのミックスを試してみませんか。

ファッションジャーナリスト　宮田理江