ミドル丈ブーツが復活 後ろ姿もサマ見え
膝を隠すオーバーニーや、さらに長いサイハイのロングブーツが長く人気を博してきましたが、近ごろはミドル丈のブーツが勢いを取り戻しています。理由は履きやすさ。重たく見えにくく、足取りが軽やかな点も再評価につながりました。
履き口に程よいゆとりを持たせると、レッグラインがほっそり映ります。適度に脚線をのぞかせるのが上手に履きこなすコツ。爪先が直線的な「スクエアトゥ」はシャープな見え具合。シンプルな黒ワンピースを引き立ててくれます。
「スクエアトゥーミドルブーツ」はヒール高が4cmと低めのキトゥンヒールなので、スイスイ歩けます。後ろ姿が愛らしく映るのもこのタイプのよさ。デイリーユースに向いたヘビーローテーションOKのミドルブーツです。
スエードブーツでミニルックを大人ムードに
レザーの質感を引き出したブーツは、足元に特別感をまとわせてくれます。スエードはその好例です。ショートパンツやミニスカートなどのキュートな装いにスエードブーツを合わせると、落ち着いた雰囲気に仕上がるので、秋冬におすすめのコンビネーションです。
ロングブーツに比べて足元の露出が多いミドル丈のブーツでも、スエードは上質感をしっかりとアピールしてくれます。つややかなレザーはクールな雰囲気ですが、スエードは穏やかで上品な印象を与えます。スタイリングに深みをプラスしてくれる点も魅力です。
ベージュカラーのブーツは足元に程よいヌケ感を添えます。装いの格上げにも一役買ってもらえます。黒ストッキングと合わせることで、フェミニンさとスタイリッシュ感を兼ね備えました。
お仕事ルックにもなじむチャンキーヒール
6.6cmとそこそこヒール高があるブーツを履く場合、かかとが太めの「チャンキーヒール」が安心です。しっかりと体重を受け止めてくれる安定感はチャンキーヒールならでは。ふらついたり、よろけたりしにくいから、足運びが楽。足がくたびれないのもチャンキーヒールのいいところです。
ロングブーツほどには主張が強くないショートブーツはお仕事シーンにもなじむ万能ブーツです。太めのチャンキーヒールは後ろ姿や横からの視線を引きつけてくれます。量感のあるトレンチコートとボリュームの対比が際立つ好相性シューズです。
「スクエアトゥチャンキーヒールブーツ」は着脱用ジッパーがなく、スルッと履けるスグレモノです。忙しい朝の支度もスムーズに。機能性とデザイン性を兼ね備えたショートブーツは、日常の装いに程よい華やかさを添えてくれる頼もしい存在です。
控えめリッチなヘアーカーフで足元から格上げ
一般的なブーツは表面がつややかな光沢を帯びていますが、質感の異なるレザーを使うと、ブーツに意外感とおしゃれ感が上乗せされます。ナチュラル感の高い素材は気負わない雰囲気も寄り添わせてくれそうです。
子牛の革を使い、毛並みの風合いを残した牛革がヘアーカーフです。カーフスキンのうち、最も希少価値の高い素材といわれます。しっとりとなめらかな毛並みが控えめなリッチ感を足元に呼び込みます。
「スクエアトゥーミドルブーツ」はナチュラルカラーがソフトな印象を引き出しています。パンツ裾をブーツインすることで、ヘアーカーフを生かしたブーツスタイリングに。足元から差が付くコーディネートです。
卓越した技術とデザイン性 足元から特別感を
「ネブローニ」は1950年代にイタリアで設立された老舗ブランドです。優れたクラフトマンシップ(手仕事技)とデザイン性には定評があります。伝統的な靴作りの製法を受け継ぎ、熟練の職人がハンドメイドで丁寧に仕上げる工程が強み。全ての作業を自社の工場だけで完結させる徹底ぶりが「ネブローニ」のクオリティーを裏付けています。
服のトレンドがシンプル傾向を強めるなか、今年の秋冬は靴が装いのムードメーカーになりそうです。とりわけ、面積の広いブーツは自分らしさを託しやすいシューズ。イタリアの老舗ブランドならではの信頼感は愛着のヘビーローテーションに誘います。足元からおしゃれを格上げするようなブーツコーディネートを試してみませんか。
ファッションジャーナリスト 宮田理江