「ゴープコア」にスポサン投入 細ストラップで華奢感出し
「ゴープコア(GORP CORE)」というトレンドをご存じでしょうか。「GORP」という言葉は、登山の途中で食べるレーズンやナッツなどの行動食を指す「Good Old Raisins and Peanuts」の略。そこから転じて、アウトドアのルックを街中に持ち込んだ装いを指すようになりました。カーゴパンツ人気の流れから、日本でも近年、盛り上がってきたトレンドで注目されています。
近ごろは本気のアウトドアよりぐっと濃度を落としたトーンで、うっすらとアウトドア気分をまとう、薄めのゴープコアも広がってきました。足元に伸びやかな雰囲気を醸し出す「テバ」はライトにアウトドア感を帯びるコーデに役立ちます。細ストラップやきれい色のスポサンは程よいフェミニン感をプラス。自然な華奢感も引き出してくれます。
スリムなシルエットにアレンジされた「Original Universal Slim(オリジナル ユニバーサル スリム)」は華奢な表情のスポサン。癖が強くないから、日常履きに向いています。ストラップの細いモデルは自在に履きこなしやすく、抜け感を出せるのもいいところ。カジュアル系だけでなく、フェミニン服にも合わせやすいので、夏シューズの選択肢に加えるのにぴったりです。
「アスレジャー」はさらに進化 大人ヘルシーなムードに
2015年にアメリカで人気に火ついたトレンドが「アスレジャー」です。「athletic(アスレチック)=競技」と「leisure(レジャー)」=余暇」を組み合わせた造語。フィットネスクラブやヨガスタジオから帰るときのような、しなやかでスポーティーな装いです。約10年前に始まったトレンドですが、廃れるどころか定番的なスタイリングに。実際に着るアイテムはヨガウエアやレギンス、タンクトップ、スニーカーなど。でも、単なるスポーツルックではなく、気負わないけれど手抜きにも見えない街中コーデを意識しています。
アスレジャーのポイントは適度な抜け感です。力みを遠ざけたエフォートレスな気分を示すうえで、スポサンは好都合。ミニスカートのときに足を盛ってくれる厚底タイプはおすすめ。アスレジャーの装いではヨガウエアをはじめ、体にフィットしたボディコンシャス系の服が多くなるので、足元にボリュームを出すと、全体のバランスが整います。
厚底のスポサン「Hurricane Ampsole Volt(ハリケーン アンプソール ボルト)」。ブラックカラーがアスレジャーな装いに引き締め効果を発揮。足の甲を通気性の良いメッシュアッパーがフルカバーするから、ヌーディーに見えすぎず、クールに映る仕掛けです。
新トレンド「メタリック&シアー」にもマッチ ずれ感、抜け感を演出
この夏はきらめきや透け感を帯びた装いが盛り上がってきました。薄着になるシーズンは見た目の印象がさびしくなりがち。でも、キラピカパーツやシアー素材を使えば、1枚でもおしゃれ見えします。きらめきやシアーファッションの足元にはスポサンのようなアクティブでヌーディーなタイプが好都合。ウエアとの程よい「ずれ感」が生まれるスポサンはこなれ見えに導いてくれます。
メタリックやシアーは割と目を引くから、シューズは飾り立てすぎない「抜け感」を引き出すタイプを選ぶのがおすすめ。素肌の露出が多めのヌーディーなデザインの「オリジナル ユニバーサル スリム」は、健やかイメージも連れてきてくれそう。細ストラップはアンクレットをしているような華奢感も演出してくれます。インパクトのあるトップスを、デイリーに着こなす今のトレンドらしいお手本コーデです。
「Teva」ブランド40周年 SDGsや地球環境にも配慮
1984年に世界で初めてストラップ付きスポーツサンダルを開発した「テバ」。長い歴史を重ねて、日本でも着実にファンを増やしてきました。「テバ」は地球環境を守り育てる取り組みに積極的で、2020年から、主要なストラップをトレーサブルで検証可能なプラスチックから作られた素材に変えました。グランドキャニオン環境保護団体やアウトドア環境保護基金などに利益を還元しています。
夏本番に向かってスポサンの出番がますます増えていく時期。ストラップでしっかりホールドしてくれる「テバ」は安定感の頼もしさが格別です。40周年記念モデルをはじめ、バリエーション豊富なデザインはサイトでチェックできます。足元が楽ちんだと気持ちまで軽やかに弾むから、自分好みのサマールックに取り入れてみてはいかが。
ファッションジャーナリスト 宮田理江