ヨットの帆が【レスポートサック】のインスピレーションに
1970年代のはじめ、のちに【レスポートサック】を創業することになるシフター夫妻は、ビーチでセーリングを楽しむ人達を見かけ、ひらめきます。「セーリングに使われている軽くて丈夫な生地からバッグが作れないか」と。そこから【レスポートサック】の代名詞である耐久性があり、軽量のリップストップナイロン製のバッグ作りがスタート。
ファッション性も加味して1974年に誕生したのが、軽さを追求した素材と鮮やかなカラーが融合したこれまでにない【レスポートサック】のバッグでした。夫妻はパリにも大きな影響を受けており、【LeSportsac】の【Le】はフランスの冠詞、それにフランス語でバッグを意味する【sac】、英語の【Sports】とを組み合わせたブランド名になりました。
1974年にニューヨークのグリニッジ・ビレッジの1号店、1977年にニューヨークのソーホーの2号店に続き、ヨーロッパや日本をはじめとするアジアにも出店し始めた80年代。現在も定番になっている無地のカラーバリエーションやシンプルなチェックといったデザインが登場した時代でもあります。
2022年にはスポーティでプレッピーな80年代のムードを取り込んだ、プレミアムコレクションとしてデビューした「アーク アン シエル バイ レスポートサック」が登場します。
【レスポートサック】が誕生した1974年を大胆に入れたトートバッグをはじめ、ミルキーカラーのボディとノスタルジックなグラフィックで80年代ムードを表現しています。
日本でレスポブームが起きた90年代は、ファミリーでの愛用者が目立つように
90年代は「アメリカらしさ」にフィーチャーした時代。アメカジファッションが流行していた日本でも、女子大生を中心に大ブームを起こしました。1991年には日本初の直営店が原宿にオープン。わずか15坪のショップに全国から人が押し寄せました。ブランド創立時からユニセックスを打ち出していましたが、カップルやファミリーで愛用する人が目立ち始めるのもこの時代です。
2000年代からはアイデンティティを大事に、時代に合わせたファッション性を加味
2000年代に突入するとプリントアイテムが増え、キャッチーでハッピーに溢れたコレクションを展開します。
さらに2000年代から、現在では一般的になったコラボレーションを先んじてスタートさせます。2002年にダイアン・フォン・ファステンバーグ、2003年にグウェン・ステファニー、2008年にステラ・マッカートニー、2016年に【ランバン】のアーティスティックディレクターを務めたアルベール・エルバスなどとコラボレーションし、従来のレスポファン以外も魅了しました。
2016年には「WEIGHTLESS(軽量)」「COLORFUL(多彩)」「TIMELESS(普遍)」をコンセプトに掲げた「エッセンシャル コレクション」がデビュー。
従来のアイテムの約半分の重量という超軽量に加え、シルバーロゴなどのシンプルで洗練されたミニマムなデザインで、年齢だけでなく性別も超えて愛されています。
パワフルな90年代のアーカイブから着想を得たスポーティでクラシカルな「スペクテイター コレクション」の人気に火がついたのは2023年。
90年代に流行ったミニボストンやワンハンドルバッグ、ボーリングバッグなどをクラシカルなカラーリングで彩り、アクセントの白いラインがレトロなムードを加えるコレクションです。
現在4シーズン目に突入し、人気を誇るカプセルコレクション「レスポートサックアトリエ」は2022年にデビュー。ニューヨークと日本のクリエイティブチームがタッグを組んだコレクションで、軽量と機能性というアイデンティティを継承しながら、ファッション性をさらに高めたモデルが並びます。新素材を用い、従来のスポーティさにエレガンスや遊び心が加わった今の気分にぴったりのアイテムが見つかります。
【レスポートサック】は次なるステージへ
さらに2026年までに全商品のリサイクル・再生素材への移行を目標に掲げ、2020年より既存の素材をリサイクル・再生素材や再生可能素材へ移行し始めています。2024年現在、全商品の80%以上にリサイクル素材が使用され、目標に向かい、着実に前進しています。
時代に合わせてアップデートし、トレンドを牽引していく存在となった【レスポートサック】。次はなにを打ち出してくるのか、ワクワクしながら待ちたいブランドです。