Z世代にフィットする自立した中に可憐さもあるスタイルを提案
「可憐さと自立心のある現代女性のためのワードローブ」をコンセプトに掲げる【アティセッション】。「BASIC」「CLASSIC」「ROMANTIC」「COUNTER ATTITUDE(UNDER GROUND)」の4つのテイストを軸にオリジナルのアイテムを展開します。
「私は古着をきっかけに洋服が好きになりました。自分の趣味と近しい人に【アティセッション】を好きになってほしい。そんな思いを込め、古着やミリタリーといったテイストを提案する『COUNTER ATTITUDE(UNDER GROUND)』は欠かせませんでした。この4つはユナイテッドアローズ社の既存ブランドにもあるテイストですが、届ける世代が違うのでまた違った表現になるかな、と。それぞれのテイストでスタイリングしてもいいですし、ミクスチャー感のあるスタイリングでもいいようにデザインしています」
デビューシーズンで、大人にも手に取ってほしいアイテムを尋ねたところ、四谷さんが挙げてくれたのがワンショルダーの赤いカットソー。
「ユナイテッドアローズ社のブランドのわりにトップス類は肌見せが大胆かもしれません。肌を見せても品はあるので、そこはユナイテッドアローズ社のブランドらしく仕上がっているかな、って。気軽に着てほしいので、カップ付きのものにするなどヘルシーに着こなせるようデザインしています」
定番で毎シーズンリリースを予定しているのがデニムパンツ。
「シーズンごとに形やデザインを変えてリリースします。後ろのパッチを外してカジュアルさを低減させ、ベルトループの一つにロゴ入りのメタルパーツをあしらい、さりげなくフックを効かせています」
感度の高い層に満足してもらえるよう、同世代チームで熱量高くデザイン
四谷さんはバイヤーを志望し、新卒でユナイテッドアローズ社に入社。販売員として働きながら、23歳でZ世代に向けた【ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ】のオンラインストア限定商品の企画も始めます。2年ほど企画を経験したのち、【アティセッション】のディレクターに抜擢されます。
ユナイテッドアローズ社としては、ファッション感度の高いZ世代に向けたブランドであることも、入社3年目で販売員から直接ディレクターへの登用も、ディレクターが積極的に露出していくのも初の試み。前例のない中の船出に不安は?
「私自身ディレクションが初めてですし、これまでとは違う層にアプローチするのでプレッシャーがないと言えば嘘になります。ただ前例がないので、逆にのびのびと取り組めているというか。会社から言われていたのはZ世代に向けたブランドということだけで、コンセプトから私が決めることができました。等身大のブランドにするため、プレスやマーチャンダイザーといったチームのメンバーも私と同世代で、みんなで相談しながら進めています。わからないことがあれば、先輩に尋ねることもできます。これは若手の特権ですね(笑)」
Tシャツで8000円台〜、パンツが2万円弱〜と、20〜30代に向けたブランドにしては少々強気の価格設定にも意味があります。
「トレンド重視のチープなアイテムではなく、長く愛せる価値のある洋服を提供したいんです。Z世代向けでこの価格帯のブランドは少ない気はしますが、ファッション感度が高いお客様と同じ熱量でデザインしているので一度手にとっていただき、私達の真剣さを感じてほしいです」
最後に【アティセッション】の展望をうかがいました。
「Z世代の中には【ユナイテッドアローズ】を知らない方もおり、ある意味大きなバックボーンがない状態での挑戦です。ただクリエイティブの根底には、ユナイテッドアローズ社らしい普遍的なベーシックさや品があります。そこにエッジを効かせていくのが【アティセッション】で、【ユナイテッドアローズ】を知らない方にも興味を持ってもらえるブランドになれればな、と思っています」
【アティセッション】のアイテムは【ユナイテッドアローズ】でのオンライン販売を中心に、一部店舗で発売されています。
※価格はすべて税込みです
Senior Writer:津島千佳