ブラジャーのサイズが合っていないから
ワコールでは同じ女性を30年以上追い続け、からだの計測を行うなど、女性のからだをさまざまな視点から研究しています。ワコール広報の久保さんにお話を伺いました。
──背中に段ができてしまう原因は何ですか?
背中に段ができてしまう理由は主に3つあります。
□サイズが合っていないブラジャーを着けている
□年齢を重ねて、背中の肉質が柔らかく変化した
□体型変化によって背中にお肉がついた
このような理由が合わさって、背中のお肉にブラジャーが食い込み、 段差ができてしまうのです。肉質が柔らかくなる変化は、太っている瘦せているに関わらず、年齢にともなって起こります。つまり、サイズが合っていないブラジャーを着けていると、年齢とともに段差ができやすくなるということです。
シーズンごとに、サイズを測りなおす
──サイズの合ったブラジャーを選ぶことが大事なんですね。
ワコールが実施した2008年の調査によると「自分のブラジャーのサイズを勘違いしている人」が全体の7割を占めていることが分かりました。ブラジャーのサイズを測るタイミングはシーズンごとをおすすめしています。
──シーズンごとに!?「自分のサイズはコレ」と思い込んでいたので、前に測ったのがいつか思い出せないくらい、何年も測っていませんでした。
少なくともブラジャーを新調するときには測ってもらいたいです。自分でトップとアンダーをうまく測れない方は販売員に計測してもらうのがおすすめです。あとは「SCANBE」という3D計測サービスもあります。限られた店舗での設置になりますが、3秒で全身の18か所を採寸することができます。下着のサイズはもちろん、体型特徴、首の太さや腕の長さ、股下の長さなどが分かります。ここの近くなら、東急プラザ表参道原宿の店舗にあります(お話しを伺ったのは麴町にあるワコールビル)。予約不要、無料です。空いていれば、すぐにご利用いただけます。ワコールの公式アプリ「ワコールカルネ」をダウンロードすると、計測した3Dのボディスキャンデータを見ることができ、過去3回分のデータ保存が可能です。
自分のサイズを知ってほしい
──無料で利用できるのは嬉しいです!
ワコールではこれまで延べ45000人以上もの女性のからだを計測してきました。長年の研究で、年齢による体型変化が少なかった女性の特徴は、適度に運動をしていること、規則正しい食生活をおくっていること、からだの変化に応じた下着をつけていることだと分かりました。自分のサイズを正しく知ってもらうために、「SCANBE」のようなサービスもご利用いただけると嬉しいです。
──ブラジャーの買い替えどきはどうやって見分けたらいいですか?
ワイヤーが歪んでいるもの、見た目がくたびれてるもの。あとは、着用時に調節してもストラップがずれてきてしまうとか、 両手を上げるとブラジャーがずれ上がってしまうものは、からだに合わなくなったサインですので買い替えどきです。
切りっぱなし素材のブラジャーがおすすめ
──どんなブラジャーを選べば背中の段ができにくいですか?
バック上辺が硬い素材のブラジャーは背中のお肉に食い込んで段ができやすいので、背中の上部が切りっぱなし始末になっているタイプがおすすめです。こちらのマッチミーブラは背中の上部がフラット仕上げで、背中に段ができにくいです。前中心の樹脂シートが体温で変形し、バストに合わせて伸縮するのも特徴です。2023年のワコールウェブストア売上No.1を記録した人気のアイテムです。
──年齢によって背中に段差ができるのは仕方がないことと、あきらめるしかないのかと思っていました。自分のサイズを正しく知り、背中部分の仕様に気を付けてブラジャーを選べば、背中の段差ができにくくなることが分かりました。まずは、きちんと自分のサイズを把握することから始めようと思います。
背肉対策ストレッチ
ヨガ・ボディメイクトレーナーのMai先生におすすめのストレッチを教えてもらいました。「脂肪細胞には皮下脂肪や内臓脂肪などの白色脂肪細胞と、脂肪を分解して熱を発生させる褐色脂肪細胞の2種類があります。褐色脂肪細胞が多い肩甲骨周辺をよく動かすことで、背肉を減らす効果が期待できます」。
【Ⓐ肩甲骨を外に離すストレッチ】
①前ならえして、手のひらを天井に向ける。
②両肘を直角に曲げ、左右の小指のヘリ〜肘をつけてキープ
*肘は肩の高さで行うのが理想的。肩はリラックス、首はスッと伸ばして
【Ⓑ肩甲骨を内に寄せるストレッチ】
①上記ストレッチから、閉じていた両肘を外に開く
*肘は肩の高さで行うのが理想的。肩はリラックス、首はスッと伸ばして
ⒶⒷを繰り返し行いましょう。
呼吸に決まりはありませんが、「Ⓐで吸ってⒷで吐く」など決めて行うと、胸や背中全体の運動になり、効果がUPします。
──今年はピタッとした細身のお洋服もトレンドの予感。背肉対策ストレッチを毎日の習慣にして、すっきりとした背中で夏を迎えたいです。
Senior Writer:大日方理子