ファストファッションが登場する前のショッピング体験を再発見してもらいたい
ミラノのランドマークとして知られるDUOMOから徒歩5分の場所にある「ELEVEN VILLAGE STORE」。ショーウインドウに飾られたセンスの良い洋服や目を引くアクセサリーに導かれるように扉を開けると、オーナーのMAURAさんが笑顔で迎えてくれます。
大量のファストファッションが登場する前のショッピング体験をお客様に再発見してもらいたいという彼女の思いが詰まった店内は、イタリアブランド、CIRCUS HOTELやスペインブランド、RITA ROW、カリフォルニアブランド、snacksなど洗練された洋服が並びます。夏は明るい色、冬は暗い色、仕事用にはシンプルなものという固定概念にとらわれないセレクトは、どれも汎用性が高く、サステナビリティでユニーク、見ているだけで気分が盛り上がるものばかりがです。
ショッピングは、日常業務から逃避する瞬間であり、自分自身への気遣いと愛情を捧げる方法だと話してくれたMAURAさん。そんなコンセプトのもとに作られた店内には、コーヒーを飲みながらブレイクできるテーブルやお客さんや友人たちが気軽に立ち寄っておしゃべりできるスペースが用意され、まるで友人宅へ遊びに来たような感覚になります。
1Fは新作、2Fは前シーズンの洋服や小物が並ぶ
1FにはMAURAさんがセレクトした新作が並び、奥の階段を上がると前シーズンのものでクオリティが高い洋服や小物(セール価格)に出会うことができます。そこには、おしゃれを楽しむために必ずしも最新を購入する必要はないという、彼女なりのサステナブルを意識した取り組みがありました。「ファッションにおいて、真にサステナブルであることはとても難しいことです。ファストファッションを買うのをやめることもその一つだし、ヴィンテージやユーズドを身につけること、さらにクオリティの良いものを買い、長持ちさせることがサステナビリティな衣料品に繋がると思います」と話してくれました。
1700年代後半から1990年代までのヴィンテージ・ジュエリー
店内の中央にあるショーケースには、1700年代後半から1990年代までの煌びやかなヴィンテージ・ジュエリーが飾られています。MAURAさんにヴィンテージのアクセサリーを身に付ける魅力について聞くと「家具でもオブジェでも、洋服でもジュエリーでも、ヴィンテージには純粋な魔法が宿っていると信じています。ヴィンテージ・ジュエリーを身につけるたびに、誰が身に付けていたのだろう、何を見てきたのだろう、そして何よりも、どうやって私の手に渡ってきたのだろう、とジュエリーと対話するかのように身に付けることができるんです」と、幸せそうな表情で語ってくれました。
Snacksの90年代風デニムとバルーンスリーブになったニット、胸元にはお気に入りのヴィンテージブローチをオンしたMAURAさん。
「トレンドは私たちにおしゃれのヒントをくれるけど、もし自分の好きなものを自覚していなければ、常にトレンドに囚われた奴隷のようになり、時に必要でない洋服を買うよう駆り立てられます。そして、それは自分らしくない服で溢れたワードローブを持つことになり、フラストレーションを溜めこむことにも繋がります」と締め括ってくれました。
ミラノへご旅行の際はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか? ここでしか出会えない洋服やヴィンテージ・ジュエリーに出会える予感。
【ELEVEN VILLAGE STORE】
住所 via Flavio Baracchini, fronte 7, Milano, Lombardia, 20122, Italia
TEL +39 0294761287
levillagestore.mi@gmail.com
Senior writer:H_ACO