nailmaticは、2012年にパリで生まれたネイルコスメのブランドです。なんと言っても特徴は、ネイルポリッシュ・ネイルコスメをオリジナルの自動販売機で売るところ。普通なら、きれいなインテリアで陳列したり、ビューティーアドバイザーさんがしっかり販売しそうな本格的なネイルアイテムを作る、このブランド。そのコレクションを自動販売機で無人で売るのが面白いところ。母国フランスの百貨店プランタンやギャラリーラファイエット、そしてパリのセレクトショップなどに自販機が設置され、話題となったブランドです。
しかし実は話題の裏にはキャッチーなだけでない、ブランドの真面目な思いが隠れています。ブランドの創設者のボリス・グラティーニとリリアン・モニエールの2人が考えたのは、「ネイルは1人でゆっくり色を選ぶ時が楽しいもの。だから自動販売機が良い。ネイルに適した14℃で管理もできるので、鮮度良い状態で提供できる」ということ。自販機とネイルの相性の良さにひらめき、ブランドを作りました。
nilmaticのネイルポリッシュはすべて自然成分で出来ています。石油溶剤を一切使っていないのに、それと変わらないほどの発色やツヤを実現したのが、このブランドの魅力。ちなみに、動物由来や動物実験を経た原料も使わず、製造はすべてフランス製にこだわっています。安心安全な原料のため、フランスでは子供のネイルデビューにもピッタリと言われているのだとか。
そんな人にも環境にも優しい、ネイルポリッシュを最も安く提供するには、家賃や販売コスト、中間業者の利益などをなるべくなくし、ブランドから直に自販機に出荷して売るのがベストと創始者の2人は考えました。高価なの1本のネイルカラーを長く使ってもらうよりも、「ファッションに合わせてアクセサリーを変えるように、ネイルも装いに合わせて変え、楽しんで欲しい。そのために、出来るだけリーズナブルに提供して、お客様に色々なカラーをコレクションしてもらい、ネイルを楽しんでもらいたい」との思いが、自販機に込められているそうです。
ここでもうひとつ、自販機にまつわるユニークなお話があります。というのは、日本でnailmaticを輸入販売するのは、ナショナルベンディングという会社。同社は、日本全国に自販機を提供する企業で、元々コスメとは無縁の会社でした。nailmaticの自販機の話を聞き、そのユニークさに惹かれ、日本での輸入販売元に。nilmaticが自販機で売っていなければ繋がらなかったかもしれない不思議な縁でビジネスパートナーとなり、nailmaticの日本上陸となりました。
ブランド自体は、2年ほど前から日本でお披露目されていましたが、シンボルでもある自販機での販売が今年から日本でも徐々に広がっています。ポップアップショップ形式で徐々に日本各地から自販機設置のオファーが集まっているとか。
現在のコレクションは、全35色のネイルポリッシュとネイルのトリートメントコスメ、ネイル用のファンデーション。看板商品のネイルポリッシュはお値段が¥2,090と自販機ならではの良心的な価格です。
今年9月15(水)~9月21(火)には秋の新色リリースの先行販売を行うとのことで、秋も要チェック。
2019年に上陸したnailmaticですが、対面接客が難しいコロナ禍の時代だからこそ、いま改めて大きな注目を集めているブランドです。自販機でコスメを売る――その発想にビジネスパートナーが集まり、ブレイクの兆しを見せています。皆さんのお近くにも、この自販機があったら是非じっくり見てみては。