PVCのピースを組み立てて作られるプレシャスなバッグ
「アップデータブルバッグ(成長するバッグ)」をコンセプトに、針や糸を使わず、PVCのピースをチューブと金具で組み合わせていく【52 BY HIKARUMATSUMURA】のバッグ。独創的なデザインが揃う中でもアイコニックなモデルが「アスタリスク」です。
20のPVCピースを組み立てた「アスタリスク」は、PVCの透明感とも相まり、宝石が放つキラキラとした輝きに目を奪われます。底の形が変えられるのに伴い、フォルムも変わり、持つ人の好みに合わせて様々な表情を見せる点も魅力。日々たくさんのバッグを見ているはずのファッション業界人から、高い支持があるのもこの唯一無二のデザイン性の高さがあるからでしょう。
「見たことのないバッグしか作りたくない」と考えるデザイナーの松村光さんは、マーケティング視点ではなく、ユーザーの気持ちに訴えるデザインを心がけています。
デザイナーも未知のバッグと出合うため、デザイン工程も一般的なバッグとは違います。通常はデザイン画を元にサンプルを作り、修正を繰り返して製品化にたどり着きますが、【52 BY HIKARUMATSUMURA】はデザイナーがひたすら手を動かし、試行錯誤の中で偶然生まれた形をバッグに。そのため誰も見たことのない、デザイナー自身が予想もしていなかったフォルムが生まれるおもしろみがあります。
PVCの素材感と配色の妙で同じ形でも異なる印象に
「アスタリスク」とPVCのピース数は同じなのに、異なる印象を与えるのが「サボテン」シリーズ。
過酷な環境下でも花を咲かせるサボテンをイメージし、全体にガーベラのような装飾が施されているのがポイント。マグネットを使用した開口部を広げることでバケツバッグのような形に変えることができます。
2021年春夏シーズン限定カラーも登場。
本体と花の装飾の色を変え、よりカラフルに、夏の装いにマッチするデザインになっています。
シンプルなショルダーバッグ「ライン」の派生シリーズとして誕生したのが「ライン パレット」。
絵具が並ぶパレットをイメージし、配色したシリーズでキャッチーなカラーリングがコーディネートに彩りをプラス。ファスナー開閉で中身がこぼれ落ちる心配もありません。
もっとベーシックなデザインなら、エントリーモデルの「ポケット」に注目。
スマートフォンが入るサイズ感のミニマルなデザイン。パープルのほか、クリーム、ライトブラウン、ネイビー、ライトグレー、ブラックとカラー展開も豊富でコーディネートしやすい色が見つかります。
PVCのバッグで気になるのが、中身が透けること。その点も3サイズのインナーバッグを揃えることでクリア。
中身が見えないだけでなく、バッグに別の表情を引き出し、新鮮な気持ちで長く使うことができます。
そう、「長く使ってもらいたい」もブランドのメッセージ。定番化するシリーズが多いため、バッグはアップデートを繰り返し、使い勝手を向上させています。「アスタリスク」は以前とハンドルの仕様が変わっていますが、有料の「アップデートサービス」を利用すれば、以前の仕様を最新モデルと同じにすることができます。さらにパーツを組み合わせてバッグにしている特性を活かし、劣化したパーツは交換が可能。これで長く使い続けることができるのです。
秋冬シーズンは透けないスウェードを使ったモデルも
秋冬シーズンはPVC以外の素材も登場。ブランドの秋のアイコン素材がスウェードです。それに長いフリンジをあしらったのが「ウルフ」。
動くたびにフリンジが揺れるユーモラスなデザインに加え、ストラップの長さの調整で肩掛けにもクロスボディと2WAYで持つことができます。
ベルギーワッフルのようなエンボス加工をした、その名も「ワッフル」もスエード素材と紐によるパーツの組み立てを採用。
体へのあたりもやさしい柔らかな素材に、充分な収納力でお仕事シーンにも活躍。紐を編んでパーツを結びつけているため折り畳めて軽いのも魅力です。「ワッフル ダブル」は肩掛けできるストラップがセットに。
PVC素材ながら、秋冬シーズンも持ちやすいデザインなのが「エックス ナップ」。ウレタンスポンジをエナメル調のPVC素材で挟み込み、キルティングのようなふっくらと厚みのある素材が特徴です。
丸みを帯びたフォルムも手伝い、エナメルの硬質さを感じさせず、透け感がないためPVC素材でもシーズンレスに使いやすい! ロングハンドルが付属しているので2WAYで持てます。
今後はPVCのパーツを使ったインテリアにも進出したい
バッグだけでなく、PVCを使ったオブジェなどインテリアも手掛けて行きたいのが今後の展望。その取り組みも始めており、青山にあるショップ「52 D.L. STORE」のレジカウンターではピースを組み合わせて作られたカバーを見ることができます。
バッグと同じパーツを使用しているのに、面積が広いせいか、受ける印象が全く異なります。
パズルを作るように組み立てられていく、【52 BY HIKARUMATSUMURA】のバッグ。誰ともカブらない、あなただけのお気に入りのバッグを見つけたい人はぜひチェックしてください。
※価格はすべて税込です。
「52 D.L. STORE」
住所/東京都港区南青山6-11-3 神通ビル1F
営業時間/12:00〜20:00(月・火・金曜は事前予約制)
定休日/水曜
電話番号/03-6450-5209
【52 BY HIKARUMATSUMURA】公式サイト
https://52byhikarumatsumura.com/
Senior Writer:津島千佳