【マーガレット・ハウエル】が導く大人のこなれコーデ

シャツのレイヤードで表情を深く

シャツワンピースの上から、ニットのロールネックジャンパーを重ねました。ロールネックの下からシャツ襟を片方だけのぞかせ、レイヤードを印象付けています。シャツワンピースのマニッシュで軽やかな雰囲気と、ニットの落ち着いたソフトなムードが互いを引き立て合うコーディネートです。

春夏に重宝するトップスにポロシャツがあります。色のコントラストを際立たせた、巧みなレイヤードで、ポロシャツの表情をぐっと深く。メンズライクな上半身に対して、膝丈スカートをマッチングして、性別を感じさせないジェンダーレスの装いに。紳士革靴風のシューズを素足で履いて、抜け感を漂わせました。

ウエストゆるインできれいめリラックス

Tシャツは1枚で着ると、物足りなく見えがちです。でも、着こなし次第でおしゃれ感がアップ。写真のように、正面だけをウエストに収める「ゆるイン」は裾周りに動きが加わります。裾に向かって細くなるテーパードパンツでスレンダーなシルエットに。細いベルトを巻いて、フェミニン感も添えました。のどかな足元にもリラックス気分が漂います。

シャツを羽織り物風にまとえば、伸びやかな着映えに仕上がります。Vネックのニットトップスの上から、水色のシャツをカーディガンのように重ねました。前を開けて、裾をウエストアウト。ニットトップスもウエストをゆるインすることで、ゆったりとしたムードの中に、ほどよい品の良さを宿した着こなしにまとまります。

ソックスで叶える大人プレッピー

トラッドを着崩した「プレッピー」のトレンドが続いています。手軽に取り入れるには、ソックスが重宝です。Tシャツにメンズブレザー風ジャケットを羽織って、気負わないジャケット姿に。白いショートパンツが軽快さを添えました。黒ソックスとブラウンスニーカーでシックなヘルシーさを足元に演出しています。

2025年のトレンドカラーはカフェオレ系スイーツのようにまろやかな「モカムース」です。ブラウン色は装いに落ち着きをもたらします。マニッシュなジャケットに、膝丈のブルー系スカートを合わせて、こなれたコーディネートに仕上げています。黒ソックスとサンダルで、足元にアクティブなアクティブな軽やかさをプラスしました。

しなやかな「こなれ感」　着心地と機能性を両立

「マーガレット・ハウエル」は創業デザイナーのマーガレット・ハウエル氏が1970年、メンズのシャツを発表したことに始まるブランドです。今でもシャツに定評があります。ミニマルでありながら、ひねりの利いた「一工夫」が持ち味。上質な素材を用いた、着心地と機能性を兼ね備えたアイテムが支持されています。ユニセックスの着方が楽しめるのもこのブランドの魅力です。

2025年春夏コレクションではモダンクラシックなテイストを深掘り。強みのテーラリングを生かしつつ、シャツドレスやニットカーディガン、リネンコートなど、しなやかな自然体ルックに導くようなアイテムをそろえました。自在の着こなしに誘う「マーガレット・ハウエル」流のスタイリングはこなれたコーディネートのお手本になってくれます。

ファッションジャーナリスト　宮田理江