どっちが新品か分かる？【LEPSIM】「満たされニット」その毛玉にならなさがスゴかった

どちらが新品⁉ーー10回着ても分からない！

「どっちが新品？」――この取材で一番最初に見た、満たされニットの感想です。新品未使用の満たされニットと、LEPSIMのスタッフが日常で10回着て洗濯もした後のもの。この2つを並べて、「どちらが10回着たものか分かりますか？」。そう聞かれても、全く区別がつきませんでした。それくらい、満たされニットは、クタらない、毛玉になりにくい、風合いが変わりにくいニットセーター。しかも、10回着たのは小さい子供を育てるママさんスタッフで、着用した日の中には、公園で激しく動いたこともあったとか。

今年が完成形

実は満たされニットは、ここまで足掛け4年がかりで作り上げてきた、LEPSIMの歴史と思いが詰まった服です。働く女性を応援するファッションアイテム。そんなテーマを掲げるLEPSIMにとって、毛玉を気にせずに頻繁に着られて、家庭でも洗濯できる、そんなニットは長年の目標でした。「4年前にその開発を始め、2年目で少し進化、3年目（昨年）で完成形に近づき販売し、4年目の今年やっと理想としていたものができました」と　レプシィム生産MDの寺坪さん。

すごい作りなんです

通常、洋服ブランドは生地メーカーが作った生地を仕入れて、それを服の形にデザインします。でも今回の満たされニットに使用している素材「ラクリル」は、糸からオリジナルにこだわり、毛玉になりにくさ、ニットの持つ柔らかさ、風合いを損なわずに家庭洗濯もできる機能性を作り上げたものです。

糸からオリジナルと簡単に言っても、実際には糸の原料素材を決め、それを糸の形へと紡ぐ作業から独自に行っているということ。これは大変な時間と労力、そしてお金がかかること。物価が上がり服の値段も値上げするブランドが多い中、そこまでこだわり抜いたことが、LEPSIM満たされニットの驚きのクオリティの背景です。

ずばり“ラクリル”

満たされニットの生地は、アクリル糸。アクリルは水に強くウォッシャブル（洗濯可能）服には向くのですが、その分毛玉になりやすいと言われる素材です。それを、アクリルでも最高レベルに毛玉になりにくくしたのが今回の満たされニットのスゴイところ。試行錯誤を重ね、保形力のあるアクリル糸を作り、さらにそれを細い糸に撚ることで、毛玉ができにくい形状にまで仕上げました。何十回も微妙なバランスを調整し、4年間の改良を経ての今年の新作発売です。アクリル素材で、その名も「ラクリル」と命名したアダストリアのオリジナル素材です。

5時間もへっちゃら！

今年の満たされニットは、実験では約5時間の摩耗を加えても表面はフラットなままだったということです。

LEPSIMのショップスタッフもうなる出来栄えという今年の満たされニット。昨年は6デザインで7万枚以上のヒット作でしたが、今年は10デザインが完成。早くも昨年の倍ペースでヒットしているとか。

「大人の女性のための洋服はカワイイだけじゃダメ。おしゃれで便利であることが理想。そんなニットに仕上がりました」。この“毛玉にならなさ”は本当に一見の価値ありです。気になる人は完売前に、チェックを。